内閣府と国土交通省では、地域で発生した災害の状況をわかりやすく伝える施設や災害の教訓を伝承する活動などを「NIPPON防災資産」として認定する制度を、令和6年5月に創設した。有識者による選定委員会での審議を踏まえ、9月5日、同制度の創設後初めて、22件(優良認定11件、優良認定11件)を認定した。今後、認定された防災資産において、その価値がさらに高まり、各地域における防災力の向上を牽引していくことが期待される。
「NIPPON防災資産」の認定制度は、認定された防災資産を通じて、住民一人一人が過去の災害の教訓や今後の備えを理解することで、災害リスクの自分事化を図るとともに、主体的な避難行動や地域の防災力のさらなる向上につなげていただくことを目的とするもの。
今回の認定にあたっては、全国の流域治水協議会(関係する河川管理者、都道府県、市区町村、企業等が参画し、流域治水を推進するための組織)等を通じて抽出された防災資産の候補案件を対象に、有識者による選定委員会での審議を経て、「優良認定」「認定」案件を内閣府特命担当大臣(防災)と国土交通題字が認定した。
認定された防災資産22件は次のとおり。
【優良認定】
▽洞爺湖有珠火山マイスター
(活動拠点:北海道洞爺湖町、対象災害:有珠山噴火災害)
▽3.11伝承ロード
(活動拠点:青森県、岩手県、宮城県、福島県、対象災害:東日本大震災)
▽嬬恋村・天明三年浅間山噴火災害語り継ぎ活動
(活動拠点:群馬県嬬恋村、対象災害:天明3年浅間山噴火災害)
▽えちごせきかわ大したもん蛇まつり
(活動拠点:新潟県関川村、対象災害:昭和42年8月羽越水害)
▽阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター
(活動拠点:兵庫県神戸市、対象災害:阪神・淡路大震災)
▽和歌山県土砂災害啓発センター
(活動拠点:和歌山県那智勝浦町、対象災害:平成23年紀伊半島大水害)
▽稲むらの火の館
(活動拠点:和歌山県広川町、対象災害:安政南海地震)
▽広島市豪雨災害伝承館
(活動拠点:広島県広島市、対象災害:平成26年8月豪雨)
▽四国防災八十八話マップ
(活動拠点:徳島県、香川県、愛媛県、高知県、対象災害:四国における全ての災害)
▽黒潮町の防災ツーリズム
(活動拠点:高知県黒潮町、対象災害:南海トラフ地震による津波災害(想定))
▽熊本地震 記憶の廻廊(活動拠点:熊本県、対象災害:平成28年熊本地震)
【認定】
▽奥尻島津波館及び奥尻島津波語り部隊
(活動拠点:北海道奥尻町、対象災害:平成5年北海道南西沖地震)
▽厚真町震災学習プログラム
(活動拠点:北海道厚真町、対象災害:平成30年北海道胆振東部地震)
▽栗駒山麓ジオパーク
(活動拠点:宮城県栗原市、対象災害:平成20年岩手・宮城内陸地震)
▽信濃川大河津資料館を拠点とした地域活性化の取り組み
(活動拠点:新潟県燕市、対象災害:信濃川における水害全般)
▽土岐川・庄内川流域治水ポータルサイト
(活動拠点:愛知県名古屋市、対象災害:土岐川・庄内川における水害全般)
▽福知山市治水記念館
(活動拠点:京都府福知山市、対象災害:昭和28年9月台風第13号等)
▽坂町自然災害伝承公園
(活動拠点:広島県坂町、対象災害:明治40年、平成30年7月豪雨)
▽乙亥会館災害伝承展示室
(活動拠点:愛媛県西予市、対象災害:平成30年7月豪雨)
▽雲仙岳災害記念館
(活動拠点:長崎県島原市、対象災害:雲仙・普賢岳噴火災害)
▽念仏講まんじゅう配り
(活動拠点:長崎県長崎市、対象災害:万延元年(1860年)土砂災害)
▽大分県災害データアーカイブ及びフィールドツアー
(活動拠点:大分県大分市、対象災害:大分県における全ての災害)