2022年1月13日 【琉球大】幕末・維新に用いられた銃弾の鉛はどこから?〜鉛同位体比から鉛資源の流通を復元〜

 

琉球大学理工学研究科の相澤正隆博士ら研究グループは、わが国の〝幕末・維新〟で用いられた銃弾遺物の鉛同位体比を用いて、銃弾に使用された鉛鉱石の起源(産地)を明らかにした。この時期に使用・鋳造された約半数の銃弾は外来の鉛資源を使っており、これらはイギリスからもたらされた可能性があることが示唆された。近世はヨーロッパ諸国が世界へ進出し始めた時期にあたり、世界的な鉛資源のマーケットも、同時期に大きく変化したことが明らかとなった。また、残りの約半数の銃弾は、日本国内の鉱山で採掘された鉛鉱石と同じ鉛同位体比を示した。すなわち、当時の最新式の洋式銃の銃弾であっても、輸入に頼るだけではなく、日本国内でも自前で銃弾を準備していたことが読み取れる。

この調査研究を行ったのは、相澤博士をはじめ、岩手大学の溝田智俊名誉教授,熊本大学の細野高啓教授,琉球大学理学部・総合地球環境学研究所の新城竜一教授,長崎県対馬歴史民俗資料館の古川祐貴 博士,山形大学の野堀嘉裕名誉教授で構成する研究チーム。この研究成果は昨年12月9日付けで、考古学分野の国際誌「Journal of Archaeological Science:Reports誌」に公開された 。

本件に関する取材については、下記の通りになりますので、よろしくお願い申し上げます。

近世から近代は、銃火器を用いた戦争・内戦が世界の各地で勃発した。わが国でも19世紀以降、戊辰戦争や西南戦争などが発生し、多量の洋式銃が輸入された。これらの小銃や銃弾の来歴を検討することで、当時の金属資源の産出状況や、武器マーケットの流通状況などを復元することができる。

これまでの報告により、鉄砲が伝来した戦国時代の銃弾に用いられている鉛は、日本産の鉱石のほか、中国北部、中国南部、朝鮮半島、タイからもたらされていたことが知られている。一方、19世紀に起こった西南戦争(1877年)で新政府軍が使用した銃弾は、これらのいずれの地域の鉱石とも異なる鉛同位体比が得られており、鉛資源の起源については明らかになっていなかった。

そこで研究チームは、江戸時代末から明治維新期に使用・鋳造された銃弾を多数収集し、歴史学的・考古学的な検討を行うとともに、これらの鉛同位体比の化学分析を実施した。


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