2017年12月11日 「きぼう」から放出する新興国の超小型衛星

酉年の師走も早や半ば、酉年のトリを飾る意味で「こうのとり」に関連する話題である。JAXAは国連宇宙部と連携して、グアテマラで初の人工衛星を2018年度に国際宇宙ステ-ション(ISS)の日本実験棟「きぼう」から宇宙空間に放出すると発表。超小型衛星の活用を望む新興国を支援する事業の一環で、同国が応募してきた。超小型衛星は同国の大学で開発した大きさ10cm四方で重さ1kg、海面の撮影やプランクトン観測のためのデ-タ収集・活用を企図している。JAXAの放出実績は、フィリピン、シンガポ-ル、ブラジル、ケニアなど各国の大学が製造した超小型衛星約20基を数える。今やわが国の実験棟「きぼう」は、小型衛星を放つ「発射基地」としての使い方が注目されている。

自国で衛星を打ち上げる機会のない新興国の希望に応えて、衛星打ち上げ用のロケット費用を費やすことなく、ISSに水や食料を運ぶ無人補給機「こうのとり」に混載して運搬、「きぼう」から放出する。その技術は国際的にも評価が高い。まさに「こうのとり」が赤ん坊を運ぶ鳥といった通説に加え、新興国の宇宙技術の夢までも運んでいる。

ISSは1999年より地上約400kmの上空で組み立てが開始され、約90分で地球を1周する中、日米欧などの参加国により運用されている。当初の運用期間は2016年まであったが、2024年まで運用期限を延長している。文部科学省によるとロシアなどから更なる延長の議論も出ているという。

JAXAは、これまで一度に放出できる超小型衛星の数は12基が限界であったが、2019年度には最大48基の放出を可能な設備を取り付けようとしている。新興国の宇宙支援事業は、わが国の宇宙技術を世界に示す好機であるとともに、この地道な交流が北朝鮮のミサイル発射に反対する国際世論の形成に繋がるものと信じたい。


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