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2017年5月22日 「魅力に乏しい」とはどういうこと?

次年度の予算編成に向けて、各省庁施策の問題点を指摘する審議会義として知られる財務省の財政制度審議会分科会は、10日の会合で高等教育の課題を示し、財政支出の必要性を否定する見解を表明した。わが国の高等教育への公財政支出はOECD平均を超えているとともに、大学等への進学率は世界的に見ても遜色のない状況と分析している。

確かにわが国高等教育は、18歳人口の減少という流れに逆行して、いささか抑制されつつあるが、学校数・入学定員数ともに右肩上がり。進学率が今後も上昇したとしても、平成30年から35年度の間に入学定員充足率が100パーセントを割るという試算がある。

また、学生の学修時間に関しても、米国と比較して大幅に少ないなど問題も多い。こうしたことを踏まえて財政審分科会では、「進学する魅力に乏しい大学が維持されることは、大学進学者や納税者にとって望ましいことなのか」との問題が提起されたが、この乱暴な言い回し方、言い方には驚いた。

財政審分科会は、毎回、野球で言えば内角高めともいえる、各省庁関係者をのけぞらせるような厳しい〝球〟を投げ込んでくる。もちろん「いいがかり」ともいえる指摘をされた者も黙ってはいない。難癖をつけられた関係者から反論が行われるというのは、夏から年末にかけての予算案成立に向けた恒例行事ともいえる。

それにしても、「進学する魅力に乏しい大学」とはどんな大学なのだろう。偏差値的に下位にある私立大学のことなのだろうか。よい取組を行っている大学までもがいらぬ心配をすることがないよう、財務省には説明してもらいたい。

また、いわゆる下位大学であるBF(ボーダーフリー)大学は、存在する価値がないということなのか。進学する魅力とはいったい何のことなのだろうか。分科会資料がいうように、改革を進めることは確かに必要だが、「魅力がない」と一刀両断するやり方には、違和感すら思える。

ショッキングな表現を用いた指摘をもとに他省庁の施策に自身の思惑を反映させる。財務省のこんなやり方も毎年となっては、〝魅力〟が薄れているのではないのでしょうか…。


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