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2017年3月21日 野柳海岸から見る「東シナ海 波高し」

弊社では、厚生活動の一環で海外への社員旅行を行っている。仕事柄、行き先は韓国、中国、台湾、東南アジア諸国に限定される。今年は台湾で、筆者も3回目である。先代社長は、「旅行ではなく研修だ」と云って、社員の物見遊山気分を戒めていた。台湾が何故か安心できる旅先に感じられるのは、同じ字体の漢字文化だからかもしれない。街中の看板を眺めるだけで大方の検討がつくからである。略字化した中国ではこうはいかないし、まして韓国のハングルでは全くチンプンカンプンである。

今、私たちが見ることが出来る最も古い漢字は、紀元前1300年頃から使われていた「甲骨文字」や、それと同じくらい古い「金文」(青銅器に鋳こまれた文字)である。そもそも漢字の故郷である中国には、合計56の民族から構成される多民族国家であり、国内で使われる言語は民族数以上といわれる。中国の人口の9割以上占める漢民族が話す言語が「漢語」であり、それを書くための文字が「漢字」である。

国立故宮博物院には、獣に似せた3本足のついた楕円形の青銅器が展示されている。2800年以上昔の料理用の鍋だそうだ。この鍋の底に32行500文字の漢字が鋳刻されている。世界で最も長い銘文で、周の宣王が周朝復興に功労があった毛公一族を称えたものだという。鋳刻された字数の多さや語句の華美さから天下一のお宝だといわれている。

今回、はじめて台湾北部海岸にある野柳地質公園に行った。自然が創造した奇岩群の海岸である。その中に「クイ-ンズヘッド」と呼ばれるクレオパトラを連想させる岩(写真)がある。その首部分は、侵食により数年以内に折れるとのことである。

さて、野柳海岸から東北東約170kmには、尖閣諸島が位置する。海岸に打ちかかる波浪の勢いに驚かされる。その先の海では、今日も漢語を話しながら操業する中国漁船と公船が航行していることだろう。領海侵犯に対する警備活動の任務につく海上保安官のご苦労を実感させられる。荒天の雲間から、今は亡き先代社長の声、「しっかり研修してますか?」と問われたような気がする。

 

 


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