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2016年11月14日 米国大統領選に見る報道の傲慢

次期米国大統領に、実業家のドナルド・トランプ氏が選ばれた。来年1月20日からホワイトハウス・ウエストウィングの大統領執務室で、米国内外を取り巻く多くの課題に向かい合うことになるトランプ氏は、1946年生まれの御年70歳で、ミドルネームは「ジョン」。ペンシルベニア大学で経済学士号を取得している。190㌢を上回る身長は迫力満点だ。

選挙では、ヒラリー・クリントン前米国国務長官が終始選挙戦をリードし、違法メール問題など懸念材料もあるなか、このまま逃げ切られると思われたが、蓋を開けると総投票数はトランプ氏を上回ったものの、選挙そのものはまさかの敗北。選挙戦開始当初は泡沫候補であったトランプ氏が、アメリカンドリームを成し遂げた。

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選挙結果は世界中で驚きと戸惑いを持って報じられたが、大学のセンセイやマスコミの方々は、本当にトランプ氏が嫌いらしい。選挙戦の期間中には、徹底したネガティブキャンペーンを行い、選挙後もアメリカの人々がいかにトランプ氏を嫌い、世界の人々が困惑しているかを、執拗に報じている。

とはいうものの、トランプ氏の勝利の要因はマスコミによるものが大きいと思う。まず、トランプ氏の支持層を「高卒の白人」と分析・報道したことにパラドックスが存在する。ハーバードなど一流大学卒の大手マスコミ記者が毛嫌いするトランプ氏を応援するのは、〝学歴の低い低次元な人間〟というふうに印象付けようとした。一生懸命米国経済を支えている人々に対して、あまりにも失礼な話ではないか。

セクハラとして猛反発を食らった、あの『ロッカールーム発言』も、逆に「隠れトランプ支持者」を大きく刺激したのではないか。発言内容そのものは許されるものではないが、マスコミとして、番組前のアイドリングトークをまともに報じることは本当に正しいことなのか。そんなことを感じた米国民も少なくなかったと思う。

自分が正しいことを実現させたいがゆえに、周りが見えなくなる。日本での報道もしかり。大正時代に文藝春秋を創刊した菊池寛は、報道媒体が持つべき精神として「半歩リードすること」といったが、〝リード〟の難しさをあらためて感じた大統領選を巡る報道でした。


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