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2020年11月9日 銅像を巡る様々なエピソードを考える

NHK連続テレビ小説「エール」に大物作曲家役で出演したタレントの志村けんさん。新型コロナウイルスに感染し3月下旬に急逝した。志村さんにとって初めての本格的なドラマ出演が遺作となった。バラエティーや「8時だよ!全員集合」や「バカ殿」と異なりシニカルな演技が印象的だった。出身地の東村山市では、地元への貢献を顕彰して銅像を西武鉄道の東村山駅東口に建立すると決定した。都内の葛飾区柴又駅前に建つ「フーテンの寅さん」の銅像に次ぐものとなろう。

建立される銅像の一方で引き倒される銅像もある。ソ連崩壊後、ロシア国内に複数あったレーニン像である。サンクトペテルブルグ(旧地名レーニングラード)の戦勝広場に建つレーニン像を除きそのほとんどが引き倒されている。イラク戦争時、バクダットにあったサダム・フセイン大統領像も米軍装甲車により引き倒された。今年5月に発生した米国の白人警官による黒人虐殺。この事件が抗議デモの発端となり、英国他欧州諸国に飛び火している。英国ブリストル市で実業家の鏡として顕彰したE・コルストン像は、かつてアフリカから奴隷約8万4,000人を運んだ奴隷商人であったことで銅像が引き倒された。また、ロンドン市内に建つW・チャーチルの記念像もインド植民地時代における民族優位性の発言や炭鉱労働者のスト鎮圧に出した軍出動命令は人種差別に当たると落書きされる始末。

ところで全米オープンテニスで大坂なおみさんが2年ぶりに優勝し、テニス四大会で3度目の栄冠に輝いた。優勝会見で「私はアスリートである前に、一人の黒人女性だ。人種差別や虐待はもう終わりにしましょう」と発言。決勝までの7試合、過去の虐待事件における黒人被害者7名の名前をプリントした黒いマスク姿の抗議パフォーマンスは、銅像引き倒しの抗議に比べ衝撃的であり印象深かった。彼女の行為をオリンピック憲章にあるスポーツに政治問題を持ち込まないと批判する声もあった。しかし、筆者は黒人差別問題を政治問題より一段上位の人権問題であると確信している。

銅像といえば、韓国は慰安婦や徴用工をモチーフにした歴史的対日批判像の設置を止めない異様さである。韓国政府は否定しているが、銅像造りはエスカレートして安倍前首相がひざまずいて詫びているかのような銅像まで設置した。韓国は自国だけに止まらず、米国をはじめ豪国やドイツなど世界中の各都市に設置して反日キャンペーンを展開。現政権をはじめ歴代韓国政府は、政権支持率が低下すれば、史実を歪曲してまで反日批判を繰り返してきた。常套戦術的な対日心理戦である。その民族性に呆れるとともに、日韓関係を考えるならば、益々嫌韓意識を増長させるだけということに気がついてもらいたいものだ。さて、建立される銅像もあれば、引き倒される銅像、そして異様な銅像の設置と、まさに世の中の銅像を巡る悲喜交々である。


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