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2020年1月20日 認知症のリスクに関する研究結果

昨年10月下旬に開催されたG20保健相会合で「認知症の人と共生する環境を促進する」の共同宣言が採択された。認知症のリスク低減や早期発見、健康に年を重ねるための研究開発といった予防の重要性が強調されていた。今や認知症は全世界で取り組むべき課題であり、世界保健機構(WHO)も2017年12月認知症の急増に警鐘を鳴らしていた。

わが国の認知症患者は、2015年に700万人を突破。厚生労働省研究班の推計によれば、2030年に744万人、50年には797万人と65歳以上の5人に1人を超えるという。こうした認知症の現状に対して、世界のメガファーマですら難渋する認知症治療薬の開発である。このたび世界の40位前後のわが国製薬会社エーザイは、米国の製薬会社と共同で開発した新薬が米国食品医療局の認可を取得した。世界初の認知症治療薬である。患者の脳内に蓄積したタンパク質のゴミ(アミロイドベータ)を取り除くというものでる。早ければ2021年にも発売されるという。一度は治験中止に追い込まれた新薬であったが、その際エーザイの内藤晴夫社長は「リスクを取らなければ薬屋はやめる」と豪語していた。この言葉に認知症新薬開発に向けた挑戦への飽くなき覚悟と揺るぎない信念が感じられた。

ところで、「日本人の痩せている人は、認知症になるリスクが標準体型に人に比べ最大72%高い」といった研究結果を千葉大学などのグループがまとめている。欧米では、肥満の人が認知症になりやすいとの研究結果が発表されているが、日本人は逆の結果になっている。一般に、認知症のリスク要因となる糖尿病は肥満の人がかかり易い疾病だ。しかし今回の調査結果は、東アジア人の体質に関係するという。東アジア人は欧米人に比べ血糖値を下げるインスリンの分泌量が少ない。肉食文化の欧米人に比べ、歴史的にインスリンを必要とする肉や脂肪を食べていなかったことに起因する。日本人の場合、痩せることで糖尿病にかかりにくくなる効果は、欧米人より小さい。体重を落として筋肉まで減少させると認知症の発症リスクが上がる影響の方が大きくなる可能性がある訳である。

さて、体格指数(BMI)は、体重を身長の2乗で割った数値であるが、高齢者の場合18.5未満は痩せ形、18.5~24.9は標準体形、30以上は肥満と分類されている。体重75kg・身長170cmの筆者は25.95で肥満体形の一歩手前だが、今回の認知症リスクの調査結果に幾分か救われた気持ちだ。ただ、定期健診の都度、医者から血糖値と中性脂肪が高いといわれ、食事と運動が大事と指摘される。油断大敵。年頭にあたり、何とかBMIの標準体形を目指して、筋肉を落とさない程度に減量する決意を新たにした次第。


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