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2019年4月15日 栄養価が高く環境に優しいタンパク源は

使い捨てのプラスチック製品による海洋汚染が世界的に深刻な問題になっている。3月上旬にフィリピンの海岸に打ち上げられた鯨の屍骸から重さ計40Kgにもなる大量のプラスチック袋が見つかった。死んだ若い雄のアカボウ鯨の胃の中にはプラスチック袋などが大きな塊となって、石灰化を始めていたという。この現実はフィリピンの海に限らず日本周辺に生息する大小を問わず魚類の体内に蓄積されているものと断定される。

政府もその抑制に向け使い捨てプラの使用禁止はしないものの、過剰な包装を控えるように業界に求めている。特にレジ袋は環境に配慮した植物由来の原料を10%以上使用すること求めるとともに、各店舗で消費者への協力を呼びかけてもらっている。使い捨てプラ製品を控える動きは、民間の外食や小売店で急速に広まりつつある。環境省は使い捨てプラ削減目標として排出量を2030年までに25%減らす目標を掲げており、レジ袋の有料化を義務化する方針である。

環境汚染と食糧問題をテーマとして、本稿に3年前掲載した記事からの引用である。ブルース・ウィルス主演のハリウッド映画の「ハルマゲドン」からとった合成語をタイトルにした書籍「ファーマゲドン」を紹介した。2050年に世界人口は100億人に迫る。その胃袋を満たすには現在より6割以上の食糧増産が必要となる。食糧増産のため、工業化された農業・畜産により、大量の廃棄物が土壌や河川、海洋を汚染し、畜産飼料生産で広大な土地がトウモロコシ畑と大豆畑に化していくというおぞましい未来を予測したものだった。

さて、中国やアジア諸国の所得向上でタンパク源たる肉類や魚類の消費拡大が予想される。将来的にタンパク源となる食糧不足の懸念が強まっている。ファーマゲドンといった未来予測の現実化する日が確実に到来するものと思われる。海洋に流れ込むゴミの量は10年間で3倍に増えると警告されている。安全かつ安心な魚類タンパク源となる食料確保のためにも、使い捨てプラスチックの対処は喫緊の課題である。また畜産に比べてエコであり、かつ栄養価が高く環境に優しい昆虫食が改めて注目されている。日本では長野県などの郷土食以外になじみのない昆虫食であるが、世界では牛や豚に代わる有望なタンパク源になりつつある。国連食糧農業機関は将来的な食料不足の対応策として昆虫食を推奨している。


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