2019年3月4日 寿命はどこまで延びるのか

日本人の寿命は着実に伸びている。厚生労働省の発表した平成29年簡易生命表によれば、平均寿命は男性81.09歳、女性87.26歳で世界最長の水準にある。0歳児がその後何年生きるかを示す「平均寿命」に対して、年齢ごとの生きる可能性を示す「生存確率」である。その確率試算よれば、男性84歳と女性90歳の同年生れの人は半数以上の人が生きている。更に4人に一人は、男性は約90歳、女性は約95歳まで生きることが推測される。つい数年前の保険会社や投信会社のパンフレットのキャッチフレーズが、「人生95年を見据えた資産設計」であった。今や「人生100年時代」に変わるほど寿命は伸びているようだ。

ワシントン大学の今井真一郎教授らが老化を抑える働きの遺伝子を突き止めた。誰にでもある酵素だが加齢で次第に機能しなくなり老化するという。この酵素の働きを保つ生体物質が「NMN」で、その効果は既にマウスにより確認済である。人による実証も2~3年のうちに終えるそうである。死の直前まで健康で生きられるということは、高齢者の誰もが願うPPK(ピンピンコロリ)が愈々現実のものとなるということだ。

人間の寿命は何歳まで延びるかと若手研究者300人に尋ねたところ、150歳が最も多かったそうだ。家族が4世代、5世代と同じ時代に生きる社会の実現である。狩猟採集社会では怪我で命を落とした。農耕時代に移るとともに怪我による落命はやや減少した。20世紀に抗生物質が見つかり感染症による死亡が激減した。約300年の間に平均寿命は40歳弱から80歳超まで延びている。人口学が専門の金子隆一明治大学特任教授は「人間は最後まで健康で潜在能力を最大限発揮しようとする稀有な生物になりつつある」と話す。

さて、寿命が伸びる反面、寿命を縮める話が老後資産の延命である。徒然草で兼好法師が「命長ければ辱(はじ)多し 長くとも四十に足らぬほどにて死なんこそ めやすかるべけれ」と書き残した。当のご本人は70歳近くまで生きたそうだ。当時としては長生きの類であったろうが、老後の辱については定かでない。誰もが分からない余命、老後の生活で家族に迷惑をかけることだけは御免蒙りたいものである。


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