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2019年2月25日 「はやぶさ2」成功に大きな喜びと少しの心配

小惑星探査機「はやぶさ2」が、2月22日午前7時29分に、地球から3億4000万㌔㍍離れた小惑星『リュウグウ』に着地したと、宇宙航空開発研究機構(JAXA)が発表した。半径3㍍と、極めて狭いランデブーポイント。この極小の平地へのタッチダウンに成功したのは、まさに開発者の努力の賜物といえる。着地後装置から弾丸が発射され、舞い上がった土砂を取り込む。彼の地の物質を持って帰ることができたかどうかは、帰還後、収納カプセルを開けてみるまでわからないとのこと。まさに竜宮城の玉手箱だ。「宝物」は東京オリンピック・パラリンピック閉幕後の平成32年末に地球に戻ってくる予定。

諸説あるが、現在、地球上にある生命体や水は、太古の地球に衝突した小惑星が持ち込んだという説が、有力な仮説として存在する。はやぶさ2が持ち帰った砂に含まれる有機物などを分析することで、生命のルーツを知ることにもつながると、期待が高まっている。

はやぶさ2ミッションのほか、JAXAでは火星衛星探査計画(MMX)を打ち立てるなど、夢のある計画を示している。火星衛星の起源や火星圏の進化の過程を明らかにすることを目的とした探査プラン。火星の二つの衛星フォボスとダイモスを観測し、うち一つからサンプルを採取して地球に帰還することを想定している。2020年代前半の打ち上げを目指し開発を進めている。さらに、欧州が主導する大型木星氷衛星探査計画にも参画する予定。木星の成り立ちや宇宙における生命存在の可能性に迫ることを目指す。

海外に目を転じると、先日、中国では月面探査に成功し、これまで未知の世界だった〝月の裏側〟を撮影した。また、「中国版アポロ計画」である有人宇宙飛行計画に向かってまい進している。さらに、イスラエルが月面探査機『ペレシート(創世記)』を米国空軍基地から打ち上げるなど、宇宙開発新時代はすでに始まっており、熾烈を極めている。

冷戦時代の国家掲揚型とは異なる様相で進む新たなスペースレース。1969年7月20日に米国宇宙船アポロ11号が月に到着した際、時のローマ法王(教皇)・パウロ6世は、地球の環境破壊をもたらした人類の飽くなき欲望が宇宙にまで及ぶことへの懸念を表明した。100年前、200年前の人々は、社会が現在のようになるとは思っていなかっただろう。科学技術の進むスピードは予想以上に速い。宇宙は今の姿をこの先も維持することができるのか。少し心配だ。


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