2019年1月21日 高齢者像の変化に必然性あり

戦後生まれの世代が順番に70歳代に突入。文部科学省の調査によると、40歳代以下の握力は低下傾向だが、70~74歳男女の握力は15年前に比べて3~4%(約1kg)上昇している。30秒間に上体起こしが何回できるか、片足立ちが何秒できるかのテストも向上が著しい。高齢者が人数的に増えているだけでなく、身体的にも強くなっているのだ。また、それ以前の世代と比べて多様な価値観を持ち、男女同権の意識が強い。所謂、従来の高齢者像が劇的に変わりつつあるとともに、社会の様々な場面で活躍し続ける高齢者が続出する時代を迎えたといえよう。

内閣府の高齢社会白書によると、高齢者の就業率は60代前半が66.1%、60代後半が44.3%、70代前半が27.2%(2017年)。10年前と比べてみると、それぞれが10.7ポイント、8.5ポイント、5.4ポイント上昇している。75歳以上でも1割近くが働くそうだ。長寿化が進めば今後の就業率は更に上昇するであろう。

ところで、高齢化が進んだ江戸時代の後期、佐原村の名主であった伊能忠敬は、利根川の堤防が決壊する度に田畑の境界線を引き直した。当時、ある程度の測量や地図作成の技術を身につけていた。名主を引退した後、50歳で江戸に出て天文学や天体測量学を学び直して、蝦夷地から九州まで17年間にわたり測量したのである。途中から幕府の御用、すなわち幕府の事業となって最後は江戸府内の測量で終えた。その正確な日本地図が、「大日本沿海輿地全図」である。現在の高齢社会で、伊能忠敬ばりの隠居人が増えれば活力ある超高齢者社会が現実のものとなろう。

さて、人生100年ブームに火をつけたリンダ・グラットンの著書「ライフ・シフト」で、学び直して人生をリフレッシュすることの大切さを説いている。政府が目指す70歳まで働く社会づくりのためにもシニアの活躍が欠かせない。「社会人の学び直し(リカレント教育)制度」は、政府が推進する働き方改革や人づくり革命に不可欠な制度である。高齢者のセカンドライフで、「身に付けたスキルをもう一度磨き直し、就労意欲に生かす」といった学び直しは、長年の経験を生かして社会と関わり続けることで、高齢者自身の豊かな老後につながると思われる。一方、大学や大学院などの教育機関側も少子化が進展する中、社会人教育、特に高齢者をターゲットにせざるを得ないのではなかろうか。伊能忠敬とまではいかないまでも、今年は筆者も何か学びなおしに挑戦したいと決意する新年である。


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