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2018年11月19日 ロコモが奪う高齢者の健康寿命!

今年も区の保健所から高齢者インフルエンザ予防通知書が送付されてきた。これを見る度に思い出すのが、インフルエンザから肺炎を併発した亡き母のことである。母といえば、「婿殿!」と主人公中村主水をいびる姑役の中村せんを演じた菅井きんさん。今年の夏、心不全のため92歳で他界された。テレビ時代劇「必殺」シリーズで、今でも「婿殿!」の一声が耳に残っており名脇役の毅然とした姿が懐かしい。菅井さんは、8年前に自宅で転倒して大腿骨骨折。都内の高齢者施設でリハビリーに励んで仕事復帰に頑張ったそうだが、帰らぬ人となった。

人は時代と加齢には勝てないと言うが、高齢化に伴い骨や関節、筋肉の障害により、移動能力が低下した状態を「ロコモティブシンドローム」という。日本語では運動器症候群といい、その略称が「ロコモ」である。ロコモは要支援・要介護となる大きな原因とされ、超高齢社会のわが国では重要な課題としてクローズアップされている。加齢とともに骨や筋肉、関節など我々の体を動かす器官(運動器)に何らかの障害が起きて、体を自分の意思どおりに動かせなくなる。厚労省の国民生活基礎調査(2016年)によれば、要介護度別の原因頻度を見ると、要支援1では関節疾患(20.0%)、要支援2では骨折・転倒(18.4%)とそれぞれトップを占めている。まさにロコモが高齢者の健康寿命を奪っているようだ。

ところで、今年のプロ野球ドラフト会議で最も注目された大阪桐蔭高校の根尾昂選手も愛読したという「思考の整理学」。その著者であるエッセイスト外山滋比古氏(95歳)は、「男子平均寿命をクリアしたいならば、転ばない、風邪ひかない、義理は欠け」という。ここでいう義理とは賞味期限の切れた付き合いはやめることだそうだが。

さて、ロコモ予防を考える時、「転ばない」は体を動かす運動器官を患らないためにあり、名脇役菅井きんさんの寿命を縮めた原因も転倒による骨折であった。また「風邪ひくな」は高齢者の死因につながる肺炎予防にあると改めて納得させられる。ただし、加齢とともに増える一方の葬祭に際して、義理を欠けとはいえないのが憂世の定めかも。


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