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2018年9月10日 呆けたカントに理性はあるのか?

1966年国民の祝日に制定された「敬老の日」は、わが国の高齢化社会に先立ってスタートした。今年はハッピーマンデー法により来週17日である。「高齢化社会」と「高齢社会」の定義は高齢者人口と総人口比で使い分けているそうだ。65歳以上の人口が総人口の7%以上を占める社会は「高齢化社会」で、14%以上を占める社会は「高齢社会」という。「化」があるとないでは大違いだった。日本は1970年に高齢化社会に突入し、94年に高齢社会に移行した。所要年数は24年であった。一方、アジア諸国ではそれを上回るスピ-ドで高齢化が進んでいる。ベトナムは17年、韓国は18年、タイ・シンガポールは20年、中国は23年で移行すると予想される。

高齢者に憑き物が認知症である。喜寿を迎える頃には5人に一人が認知症を患うとの予測を眼にする。認知症の治療法の開発を急いでいるものの思うように進まず、未だ有効な予防方法も見出せていない現状である。ヒトは進化の過程でさまざまな外敵と戦い、生き残ってきた。中には共存の道を選んだものもいる。その代表格が2000種といわれる腸内細菌集団である。免疫力の源として大切な役割を果たし、脳ともコニュニケ-ションして心身の状態に影響を与えるという。進化医学の視点に立つことにより、免疫の働きや炎症反応が極めて多くの病気の引き金になっている事実もある。アトピ-性皮膚炎などのアレルギ-疾患、がん、腰痛、目の病気、アルツハイマ-型の認知症などの病気が含まれるそうだ。解明が進めば、新たな診断や治療法の開発に期待できる。先ずは認知症の診断・治療法の開発が進むことを願いたい。

ところで、昨年1月に内閣府が「カカオ成分の多いチョコを4週間食べると、大脳皮質の量を増やし学習機能を高める可能性があることを確認した」旨を発表した。しかし、先ごろ外部からの裏付けが不十分との指摘で、「チョコは脳若返り」実験のやり直しの提言が出された。チョコ大好き人間である筆者はまさに1年以上にわたり騙されていたわけである。

さて、高齢者を対象にするビジネス先進国のわが国にあって、介護施設の運営をはじめ介護用品では世界のトップレベルに位置する。ただ、出来るならば、そういった施設のお世話になることなくスル-したいのがシニア世代の本音である。「敬老ならぬ軽老」と読み変えられることもなく、「哲学者カントといえども、呆けてしまえば理性はあるのか?」と揶揄されることもなく、腸内細菌集団ならぬ国内高齢集団として高齢社会を生きぬきたいものである。


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