2018年7月30日 「平成最後の夏」は天災・人災で大忙し

平成最後の夏が本番を迎えた。約30年にわたる一時代が間もなく幕を閉じることとなった。今年の夏は例年になく暑い。そして、大阪を中心とした地震と西日本広域にわたる大雨、さらに、過去に例をみない東から西へと進む台風など、天災が続いている。

文部科学省でも、〝災害〟級のインパクトを与える事件が立て続けに発覚した。こちらはいつまでもなく、天災ではなく〝人災〟。局長級2幹部職員が収賄容疑で逮捕されたという。事件に関与した医療コンサルタントからは、2名だけでなく、他の幹部も接待を受けていたという話もある。

昨年のいわゆる天下りあっせん事案や、いまだ全容解明が不十分だと指摘されているモリカケ問題などによる国民からの信頼失墜からの回復に向けて、懸命に汗を流している文科省職員の努力を足蹴りにする愚行だ。事件を受けた大臣からの訓辞、さらに若手職員が先日行った文科省改革の提言を、これら幹部のどのように受け止めているのだろうか。

東京地検から起訴された両幹部は、科学技術行政の詳しい科技庁入省組だ。わが国の研究開発力は、ここ数年、研究開発投資を大幅に増加させている先進諸国、さらに中国、韓国といった新興国の追い上げにより、世界的なポジションを低下させるなど、現状は極めて厳しい。両幹部の起訴事案により科学技術行政の停滞が懸念される。資源に乏しくイノベーション力で勝負をしていかなくてはならないわが国の将来に大きな影を落としたことは、猛省に値する。

一方で、科技行政を巡っては、このままではいけないと思うこともある。わが国科学技術に対する政府からの投資額はここ数年横滑り。大幅な増加を図っている世界の情勢と比べると、事実上の減額だ。科技行政担当者は予算要望などの際、上記のとおり〝わが国研究者の世界的なポジション低下〟を、予算増加が必要な理由としてあげる。しかし、それでは理由としては極めて不十分と言わざるを得ないと思う。

選挙制度を有する民主主義国家であるわが国では、投票権を有する国民が最上位となる。しかも、最も多く投票しているのは高齢者だ。「研究者の世界でのポジション低下」というロジックを聞いて感じることは、多くの国民、筆者を含む非インテリ層は、そんなことはどうでもいいのではないかということ。彼らは「研究者の方々はいい暮らしをしていのでしょう」と感じている。実際そうではないにしろ、そうひがむ国民は多い。国民総ルサンチマン時代だ。

それよりも、研究開発力が落ちると、年金の受給金額がどうなるかとか、子どもの就職先はどうなるのか。すなわち、科学技術にお金を回さないと、自分たちや子ども、孫の生活はどうなるかということを示してほしい。

研究者や行政担当者には、もう少し非インテリ層に目を向けていただきたい。研究室や霞が関、永田町を出て、例えば夕方に下町の銭湯で、科学技術予算を増やす意義を語ってみてはどうか。どうせ誰も耳を傾けないだろうが…。みんな自分や家族の生活にしか興味がないのですよ。


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