心身に障害を抱える児童・生徒が通う東京都立「多摩桜の丘学園」の知的障害教育部門の生徒が、高齢者などの買い物の荷物を自宅まで送り届ける都内初の取り組みを今秋から始めた。「買い物弱者」の支援と生徒の社会参加に向けた一石二鳥のアイデアとして注目を集めている。

サービスには、高等部の1年生から3年生が2人1組で教員とともに参加。対象範囲は、多摩市の聖ヶ丘2丁目にあるスーパー「ビッグ・エー多摩聖ヶ丘店」から片道15分程度だ。多摩丘陵を切り開いて開発された同地域の周辺は、多くの坂道・階段や住民の高齢化、シャッター商店街の増加などで「買い物弱者」の問題が顕在化しつつある。

生徒は荷物の運搬と合わせて、社会生活に必要なスキルを養う「作業学習」の一環として、将来の社会参加で必要な挨拶やマナー、接遇を学ぶ。そのため、利用者側に費用は一切かからない。

実際にサービスを利用した人からは高齢者からは、お米やお水など重いものを運ぶシーンなどで「助かっている」という感想が聞かれた。一方、生徒側からは、「地域の人の力になれてうれしい」といった声が上がっている。同学園の原田勝副校長は、「これからも長く行っていけるのではないか −− 。そんな手応えを感じている」とコメント。今後は、ほとんど外出できない高齢者向けに、必要なものを自宅まで直接届けるサービスも検討していきたいと語っている。