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情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設人文学オープンデータ共同利用センター（ＲＯＩＳ－ＤＳ ＣＯＤＨ）が昨年８月に公開した世界初のＡＩくずし字認識アプリ『みを（ｍｉｗｏ）』が、２０２２年度グッドデザイン賞（主催：公益財団法人日本デザイン振興会）を受賞した。
スマホ・タブレットアプリ『みを』は、約１００万文字の「くずし字データセット」を学習した最新のＡＩくずし字認識技術を用いたアプリ。昔のくずし字資料をいつでもどこでも読んで学べるよう、カメラで資料を撮影しボタンを押せば、ＡＩが数秒でくずし字を現代日本語の文字に変換する。ＡＩによるくずし字認識技術の進展を反映し、誰もが技術の恩恵を受けられるように直感的に利用できるアプリとして公開したことが、グッドデザイン賞として高く評価された。
『みを』は、Ａｎｄｒｏｉｄ版とｉＯＳ版の両方がアプリストアで無料でダウンロード可能。アプリのダウンロード数はすでに約１０万件、AIが認識した画像数も１００万件に迫る勢いで増えている。
地域の歴史再発見で活用事例拡大
『みを』はさまざまな場所で使われている。くずし字を読めない方々が古文書などの内容を知るために使うだけでなく、くずし字に習熟した専門家も現地での下読み（迅速な内容確認）に活用している。さらに、教育機関での日本古典文学のためのくずし字学習、図書館・博物館・美術館などにおける資料内容の把握、市民による古文書の読み解きと地域の歴史の再発見などの目的に、アプリの利活用事例は拡大している。ＡＩが過去と現代を橋渡しすることで、文化遺産の利活用という社会課題の解決に新しい動きが生まれつつある。
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