2021年9月22日 【奈良先端大】企業と超広角眼底カメラを共同開発  広範囲180度の眼底撮影を可能にし、疾病の早期発見につなげる

奈良先端科学技術大学院大学の先端科学技術研究科・物質創成科学領域・光機能素子科学研究室の太田淳教授、竹原浩成特任助教は、総合光学機器メーカーの㈱タムロン(本社:さいたま市)の研究開発センターと共同で、広角撮影が可能な眼底カメラを研究開発した。この研究成果は、9月13日に開催された「第82回応用物理学会秋季学術講演会」で、『超広角近赤外カラー化眼底カメラの開発』と題して発表した。

現在、日本人の主な失明原因は、緑内障、網膜色素変性症、糖尿病網膜症。これら疾病による失明を防ぐには早期発見が重要で、定期的な眼底撮影検査が有効な手段となっている。現在、健康診断で用いられている普及型の眼底カメラは視野角が60度程度で、眼底の一部しか検査できていない。もっと広い視野角で眼底を撮影し検査することができれば、疾病を早期に見つけることができる確率を大幅に改善できる可能性がある。

タムロンでは、眼底カメラ用に超広角のレンズを専用設計・試作し、この超広角レンズを奈良先端大に提供。奈良先端大で開発された近赤外光を利用した眼底カメラに組み込んだ。さらに、この新しい眼底カメラにより超広角の眼底撮影に成功し、撮影の視野角は約180度であることを確認した。今回開発した技術では、瞳孔を拡げるための散瞳剤(点眼薬)を使用することなく、広範囲の眼底像を取得することが可能になる。

 


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