2022年4月13日 JSTがキュナス社へ出資 量子電算機のソフトウェア開発をサポート

国立研究開発法人科学技術振興機構(濵口道成理事長、JST)は、出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)において、(株)QunaSys(キュナシス、本社:東京都文京区、楊 天任代表取締役)への出資を実行した。

キュナシス社は、量子コンピューターのソフトウェア開発に取り組むベンチャー企業。

現在、量子コンピューターのハードウェアは、さまざまな方式が研究されており、国内外の各企業で開発が加速しているが、依然として発展途上の段階。

 

「量子化学計算」の実応用化 睨むベンチャー企業 

今後のハードウェアの実応用段階の到来に向けて、量子化学計算を実行したいユーザーが量子コンピューターの計算力を使いこなせるよう、キュナシス社は量子コンピューターのソフトウェアの開発を通して実応用をサポートすることを目指している。

現在、キュナシス社はクラウド上のソフトウェアサービスとして量子化学計算のインプットを量子回路に翻訳し、シミュレーターや実機上での計算をシームレスに行うことができるQamuy(カムイ)の提供を行っている。

また、同社は現在日本最大の量子コンピューターのコミュニティーであるQPARC(キューパーク)の運営も行っており、潜在的ユーザーに対して勉強会やユースケース探索のための場を提供している。

キュナシス社はJSTの戦略的創造研究推進事業「さきがけ」の研究課題「知的量子設計による量子計算・量子シミュレーションの新機能創出(研究期間:平成28年度~令和元年度)における研究開発成果を基に、平成30年2月に設立された。

キュナシス社は量子技術イノベーション戦略の一翼を担うオープンプラットフォーム型の拠点(国際ハブ)である、共創の場形成支援プログラム(COI‐NEXT)量子ソフトウェア研究拠点の参画機関でもある。

同社は量子コンピューターの市場において最も実応用化が早く進むと見られている量子化学計算をファーストターゲットとして事業を展開していく。

JSTは平成26年4月から「出資型新事業創出支援プログラム」(SUCCESS)を実施している。

 

資金の「呼び水効果」も志向

この事業は、JSTの研究開発成果の実用化を目指すベンチャー企業に対して、JSTが出資ならびに人的及び技術的援助を行うことでその創出や成長を促進し、ベンチャー企業が行う事業活動を通じてJSTの研究開発成果の実用化・社会還元を促進することを目的としている。

出資を通じてJSTが有望なベンチャー企業の株主になることで、民間の資金を誘引する「呼び水効果」も志向している。


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