2018年3月26日 ASEANでの人材育成へ 日・ASEAN食料・農業友好親善大使が挨拶

このほど、日・ASEAN友好協力45周年を記念して日本政府が「日・ASEAN食料・農業友好親善大使」に任命した、JKT48のメロディ・ヌランダニ・ラクサニ氏が、親善大使として行う初の活動として、インドネシアのボゴール農科大学で農林水産省が実施している食料・農業分野の人材育成講座に参加し、挨拶を行った。

農林水産省では、ASEAN諸国において、各国の大学と連携してASEANにおける若年層の人材育成に取り組んでおり、平成26年以降、ASEAN事務局への拠出金により、10ヵ国10大学で各大学のカリキュラムに合わせてわが国企業から専門家を派遣し、日本の優れた技術やサービス等に関する実践的な知識・技術について教育を行っている。

この取り組みの中で、2月27日にインドネシアのボゴール農科大学で講座が行われたが、2月26日に「日・ASEAN食料・農業友好親善大使」に任命されたメロディ氏が、親善大使としての初の活動として、学生に向けて開講の挨拶を行った。

「日・ASEAN食料・農業友好親善大使」は、日・ASEAN友好協力45周年の節目に日・ASEANの友好関係を促進することを目的としたもの。今回就任したメロディ氏は、インドネシアの国立パジャジャラン大学で農業を専攻した経歴を持っており、「将来は日本の技術でインドネシアの農業を良くしたい」との強い思いを表明している。

 

■ 日・アセアン連携による 新産業人材育成支援事業

日本の食産業の海外展開には、日本の食産業に関する知識・技術等を習得した現地人材の育成が課題となっている。このため、農林水産省では、ASEAN地域の主要大学に専門講座を設置するほか、既存研究室との連携を図り、種苗生産から食品加工、流通、消費に至る分野について、実践的な学習、研究活動等を支援している。

また、日本企業の海外進出を有利に展開するためには、JAS規格や食品安全管理規格をASEAN地域に普及させ、競争環境を整備する必要がある。当該国で実践的な食産業の人材育成体制の強化、わが国主導による食品関係規格の普及・浸透が図られることにより、農産物の流通ロスの軽減、加工・保存技術の導入による農産物の付加価値の向上による農業所得向上に大きく貢献するとともに、日本企業の海外展開に必要な現地の優秀な人材の確保、ASEAN市場におけるわが国食品の競争力の強化が期待される。

 

人材育成と日本の規格等への理解醸成

農林水産省では、食産業の海外展開に資する現地の担い手の育成と日本の食品規格等の国際化を促進するため、「日・アセアン連携による新産業人材育成支援事業」を実施しており、平成30年度予算では、1億5500万円を計上している。この取り組みでは、「平成32年度までに、3ヵ国以上で、農産物・食品のバリューチェーン関連の学部生・院生を合計30人以上養成する」、「4ヵ国で現地の食品事業における日本の標準・規格の理解・活用を促すことにより、国際規格の共同提案などに向けた各国との関係強化につなげる」ことを目標に掲げており、その実現に向け、ASEAN地域内主要大学に設置した農産物・食品のバリューチェーン専門の講座等において、学生や民間企業等を対象とした実践的な講義、実習等の実施を支援するとしている。

具体的には、ASEAN諸国の主要大学の中に専門講座を設置するほか、既存研究室との連携を図り、日本の民間企業等の参画の下、種苗生産から食品加工、標準・規格、流通、消費に至る分野について、実践的な学習、研究活動を支援することで、現地学生等の農産物・食品のバリューチェーンに関する理解の深化、技術習得を図っているほか、JAS規格や食品安全管理規格等の普及を図っている。

こうした取り組みにより、食産業の海外進出に必要な日本の知識・技術を習得した現地の若い人材が数多く育成されることや、ASEAN各国の学生が日本の食品加工・流通技術等を学ぶことにより、地域のフードバリューチェーンが強化され、農産物の付加価値向上による農家所得向上等に貢献すると期待されている。また、日本型食ビジネス、食品関係規格等の浸透により、わが国の食文化・食産業のグローバル展開に有利な環境・市場整備等が促進されること、農林水産・食品産業分野における国際規格の共同提案などに向けた標準・規格における各国との関係の強化が図られることも期待できる。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.