2019年12月13日 AIでインフルの流行状況を予報 さいたま市で全国初の実証実験始まる

さいたま市は6日から、日立製作所や損保ジャパン日本興亜と共同で、AI(人工知能)を活用しインフルエンザの流行状況を予測・情報配信するサービスの実証実験を始めた。感染症の予報に関する自治体規模の実証実験は全国初の試みだという。「雨の日は傘を用意する」や「悪天候のため遠出は控える」など、天気予報のように役立てたい考えだ。

実証実験では、日本医師会の協力の下で日立が開発したシステムを使い、さいたま市内のインフルエンザの流行状況を、「レベル0~3」の4段階で予測する。予報は1週間単位で更新され、最長4週間先まで示される。結果は、特設サイトやLINEの専用アカウント、地域の子育て支援情報配信サービスを通じて発信。インフルエンザの予防やかかった場合に役立つ情報などと併せて確認できる仕組みだ。

取り組みの推進にあたっては、さいたま市のほかにスーパーや薬局などの小売店、鉄道会社、医薬品メーカーなどにも協力を仰ぎ、市内全域の保育園、幼稚園、公立小・中学校といった教育機関や地域住民向けにチラシの配布やポスターの掲示などで周知を図り、利用促進につなげる。

日立と損保ジャパン日本興亜は、実証実験を通じてサービスの有用性を確認する方針。加えて、地域住民のQOL向上をはじめたとした社会的価値を検証し、将来的なサービスの事業化や、さらなる潜在的ニーズの発掘による新たなサービスの検討を進めていく考えだ。

来年の3月20日まで実施期間を設けており、結果の分析や検証を行った後に継続も含めて今後の進め方を検討していく構え。メーカー側は、今回の取り組みを足掛かりに、他の自治体でも同様の実証実験に乗り出すことを視野に入れている。

 

■ 市内ではすでにインフルが流行

さいたま市内の週報によると、今月2日から8日にかけて市内の定点医療機関を受診したインフルエンザの患者は533人。定点あたりの報告数は、前週の7.44人から、流行注意報の基準値である10人を超える13.0人に増えた。入院患者の報告は7人だった。さらにこの週は、市内で23学級(14校)が学級閉鎖を実施。市内で直近4週間に採取された16検体から型をみると、全てが2009年に流行したAH1pdm09だった。


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