2017年6月1日 5産品の地理的表示を登録 品質が高い農林水産物の名称を知的財産に

農林水産省は、「地理的表示法(特定農林水産物等の名称の保護に関する法律)」に基づき、5月26日に宮城県の「みやぎサーモン」、秋田県の「大館とんぶり」、大分県の「大分かぼす」、長野県の「すんき」、栃木県の「新里ねぎ」の5産品の地理的表示を登録した。

地理的表示(GI)保護制度は、地域で長年育まれた特別な生産方法によって、高い品質や評価を獲得している農林水産物・食品の名称を品質の基準とともに国に登録し、知的財産として保護するもの。農林水産省では、学識経験者からの意見聴取など、法定された手続きを経て、地理的表示法に基づき、生産地や品質等の基準とともに産品を地理的表示として登録している。

また、登録された生産地や品質等の基準を満たした産品は、地理的表示が付されて流通することとなる。その際には、地理的表示産品であることの証として、地理的表示法に基づく登録標章「GIマーク」が付される。

 

今回登録された5産品の特性と地域との結び付き

 

登録番号第31号
〇みやぎサーモン(生産地:宮城県石巻市、女川町、南三陸町、気仙沼市、登録生産者団体:みやぎ銀ざけ振興協議会)

みやぎサーモンは、おいしさを保つため活け締め処理を施した高鮮度な養殖ギンザケ。身にツヤと張りがあり、包丁を入れると刃をつかむような感触がする。生鮮で刺身で食べられるほか、生臭くなく、他の食材や様々な調理法にも合わせやすい。

 

登録番号第32号
〇大館とんぶり(生産地:秋田県大館市、登録生産者団体:あきた北農業協同組合)

大館とんぶりは、アカザ科ホウキギ属の一年草であるホウキギ(昔は茎を束ね、ほうきとして利用)の実を原料とした加工品。直径1~2mmの粒状で、味はないがプチプチした魚の卵に感じられる食感を楽しむ食材である。その食感から「畑のキャビア」などとも呼ばれる。

 

登録番号第33号
〇大分かぼす(生産地:大分県内、登録生産者団体:大分県カボス振興協議会)

大分かぼすは、果実の風味が優れる緑色の時期に収穫したかぼすで、さわやかな柑橘系の香りと強すぎない酸味が特徴。果汁を搾って料理に使うことにより、その風味が食材の持つ味を引き立てる。果実の緑色、果汁歩合等の品質を保ちつつ、周年の供給体制を確立している。

 

登録番号第34号

〇すんき(生産地:長野県木曽郡(木曽町、上松町、南木曽町、木祖村、王滝村、大桑村)、塩尻市の一部(旧楢川村)、登録生産者団体:すんきブランド推進協議会)

すんきは、木曽郡の伝統野菜である赤蕪の茎葉等を原料に無塩で乳酸発酵させた国内外でも珍しい漬物。べっこう色で乳酸由来の酸味が特徴だ。

 

登録番号第35号

〇新里ねぎ(生産地:栃木県宇都宮市新里町、登録生産者団体:新里ねぎ生産組合)

新里ねぎは、軟白部が弓形に曲がった伝統野菜の曲がりねぎ。柔らかく甘みが強いという特徴を持つ。高値で取り引きされており、年末年始の贈答品等としても利用されている。


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