2017年12月21日 2018年は「シニア活躍」の年 リクルートHDがトレンド予測、「学び直し」も

来年2018年はシニアに注目―。民間企業が発表した来年のトレンド予測によると、2018年は深刻な人材不足など踏まえ、企業等を定年した人々が活躍する〝年功助力〟〝熟戦力〟を、来年話題になるキーワードとしてあげた。現政権が目玉施策として『人生100年活躍』を推進していることから、シニア層の活躍がさらに進むとみられる。また、同じく現政権の主要施策である『働き方改革』に関連したトレンドも発生すると分析。40歳~50歳のミドル層が大学院等で学び直す「みなミドル」もトレンド予想キーワードとしてピックアップした。

来年のトレンド予測を行ったのは、情報サービス大手の(株)リクルートホールディングス。美容、アルバイト・パート、人材派遣、社会人学習、人材マネジメント、飲食、婚活、住まいの8領域での2018年トレンド予測とトレンドを表わすキーワードを発表した。

 

美容業界、注目は「高齢者サービス」

リクルートHDによると、2018年のトレンド予測キーワードは、「年功助力」「みなミドル」をはじめ、美容領域の「来るスマ」、人材派遣領域の「熟戦力」、人材マネジメント領域の「ボス充」など。「年功助力」はアルバイト・パート領域、「みなミドル」は社会人学習領域。このほか、飲食領域の「ピット飲食」、婚活領域の「お見せ合い婚」、住まい領域の「育住近接」も来年よく耳にするかもしれない言葉としてあげている。

「来るスマ美容師」は、来年は介護保険法改正、介護報酬改定の年であり、高齢者向けの美容や健康など関連サービスにも新しい動きが予想されることを背景としたもの。サロン数が増え続け、人口減少とともに競争が激化している美容業界での新たなサービスとして、美容室に出向くのが困難な高齢者のもとに〝スマイルを届けに来てくれる美容師〟が増加傾向にあるという。

 

「年功助力」「熟戦力」

現政権の目玉政策である『人生100年活躍社会』実現を見据えた動きも進んでいる。人材確保が困難になっているなか、戦略的にシニアを採用し、活かす企業が増加している。「年功助力」は、従来ネックとされていた高齢者の体力や新しい技術への対応も、健康フォローやIT技術を活用した企業サポートで解消しており、人生経験イコール〝年の功〟を活かし、企業力を高める企業が現れていることから、来年はこの動きがさらに加速することが予想されることから、来年の予想トレンドの一つしてあげた。

「熟戦力」も、一手不足を背景に実務担当の即戦力として定年後の人材を受け入れる企業が増加していることを踏まえて、来年〝来る〟トレンドの一つとした。現在、柔軟な人事制度が存在しない企業でも、派遣という仕組みを活用することで人材を受け入れるケースが増えているという。

また、『100年活躍社会』では、人々の〝学び直し〟も推進すべき施策とされている。成長機会を求め、会社の枠を超えて学び始めるミドルが増加していることから、来年は「まなミドル」というキーワードが新聞紙上を賑わうのでは。大学院のキャンパスや資格スクールで目立ち始めてい40歳~50歳代のミドル層だが、社会人の学び直しに関する政府の給付金が年明けから70%引き上げられることから、同社では来年以降もこの動きがさらに加速するものと予測している。

 

働き方改革踏まえた流行も

一方、働き方改革を踏まえた流行もあるという。生活を楽しみ、社外活動が充実している上司は、その経験を社内に活かし、また社内の経験を社外に活かすことで、社外での活動の場を広げている。また、このような上司は部下からの評価も高く、理想の上司として会社にプラスの影響を与えている。このようにボスが充実している状況を「ボス充」と呼び、今後、こうした「ボス充」な上司が増えてものとみられる。

 

オンラインで自己開示「お見せ合い婚」

さらに、言葉だけでは何のことだかわからない「ピット飲食」は、軽い飲食で、役割と役割の間に気持ちを切り替えること。一人ひとりが担う役割が増加・多様化しているなか、仕事と家庭、主務と副業など、次の役割に向かう合い間に、気持ちの切り替えを行うニーズが高まっている。平日夜の早い時間帯にモードチェンジを行う上で、①ひとり利用しやすい、②ゆったり過ごせる、③(電源など)設備の充実、④生活動線に近い場所などの条件を満たす、「ピット飲食」に適した飲食店も登場している。

このほか、「お見せ合い婚」は、オンライン上での多様な自己開示を通して、結婚する人が今後増加することを踏まえ、「育住近接」は保育園や学童保育などをマンションや団地内に設置する住居が増えていることから、来年人々が口にするキーワードとして分析した。


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