2018年2月23日 金沢大に文科大臣賞、富山大に優秀賞 イノベーションネットアワード2018

金沢大学の「能登里山里海マイスター」育成プログラムに文部科学大臣賞―。「第7回地域産業支援プログラム表彰(イノベーションネットアワード2018)」の文科大臣賞、経済産業大臣賞、農林水産大臣賞などが決まった。

イノベーションネットアワードは、国内各地域の特性に応じた優れた地域産業支援の取組等を表彰する制度。各地域における新事業・新産業創出を目的とする優れた取組を賞揚することにより、地域産業の振興・活性化の喚起・促進をねらいに実施している。

一般財団法人日本立地センターと全国イノベーション推進機関ネットワークが主催し、地域経済への波及効果や地域資源の活用度、取組の独自性、創意工夫・熱意などの観点を踏まえ審査した。

 

 ○文科大臣賞
金沢大「能登里山里海マイスター」育成プログラム
地域資源を活用して、地域課題と向き合いながら事業承継や起業、就農ができるような人材育成プログラムを地元の若者や就農などを志す移住者などへ提供し、環境保全や高付加価値を生む農林漁業の担い手、能登の豊かな自然や文化遺産を生かした観光の拠点を創造するリーダーを育成しており、修了者には大学長名で「里山里海マイスター」認定書を授与している。これらの人材育成や移住者の定着促進に向けた取組により、過疎高齢化の地域課題の解決を図るとともに、地域の地方創生に寄与している。

 

 ○経産大臣賞
 諏訪圏ものづくり推進機構「諏訪圏(6市町村―岡谷市、諏訪市、茅野市、下諏訪町、富士見町及び原村)における地域活性化の取り組み~〝SUWAブランドのものづくり〟への挑戦~
特定非営利活動法人諏訪圏ものづくり推進機構は、諏訪地域の6市町村、商工会議所・商工会及び地元企業が、地域の広域的なものづくり支援の拠点として平成17年に共同で設立。これまで、地元での工業展示会の毎年度開催や人材育成事業等に精力的に取り組んできたところ。このうち、工業展示会は、出展企業400社超、来場者2万7千人超の規模に成長し、地元中小企業の受注獲得に大いに貢献。また、人材育成事業では、技能検定支援を継続して行い、合格率8割を達成。

 

 ○農水大臣賞
 北海道科学技術総合振興センター「研究開発から事業化までの一貫支援による「北海道バイオ・ヘルスイノベーション」の新たな価値創造」
若手研究者の基礎的・先導的研究開発や産学官共同開発の支援によるシーズ発掘・地域企業へのシーズ移転の促進や、北海道独自の食品機能性表示制度であるヘルシーDo 等の認定取得支援等による商品化・事業化の促進等により、北海道に豊富に賦存する農林水産資源や食関連産業を活用した新たな付加価値の創出に貢献している。また、「北海道バイオ産業クラスター・フォーラム」を運営し、多くのバイオ産業・ヘルスケア産業の企業の創出等を通じて地域経済の活性化に貢献している。

 

 ○全国イノベーション推進機関ネットワーク会長賞
 九州半導体・エレクトロニクスイノベーション協議会「九州の半導体・エレクトロニクス関連産業の新分野展開・新ビジネス創出」
九州における半導体・エレクトロニクス関連産業の振興施策を展開。管内大学の技術シーズのうち共同開発につながる戦略性の高い70のシーズを抽出するとともに、管内中小企業の70の光る技術シーズを抽出した企業技術シーズ集や九州における半導体分野のサプライチェーンマップを作成。それらを活用して国内大手企業や海外企業等との産産マッチングや産学マッチングにより、地域企業の新分野展開及び新ビジネス創出に寄与している。

 

 ○日本立地センター理事長賞
 岡山県産業振興財団「アジア留学生ビジネスネットワーク構築支援事業」
大学、経済団体、企業等と連携してアジア留学生ビジネスネットワーク構築を支援。インターンシップ、企業とアジア留学生との交流促進、留学生への奨学金支給、就職マッチングなどきめ細かい支援策により、海外展開に対応できる人材確保を目指す地元企業と日本企業や、日本企業の展開先の母国での活躍を望む留学生のマッチングに成果を上げている。

 

 ○優秀賞(2件)
 富山大地域連携推進機構「地域資源を活用した地域発イノベーション創出型人材育成事業」
富山大が自治体とともに、地域資源を活用しながら地域課題をビジネスで解決する方法(ソーシャルビジネス)を学ぶ「地域再生人材育成事業」を、産学官金のさまざまな機関と連携して実施し、地域の若手企業経営者等の第二創業(地域発イノベーション)を支援している。地域での第二創業の促進に寄与するとともに、県内外へ人材養成事業のノウハウが移転されるなど、人材育成のモデルとしても成果を上げている。

 徳島県信用保証協会「創業支援事業『創業するなら保証協会へ!』」
「創業するなら保証協会へ!」をキャッチフレーズに、各種創業支援を展開。創業相談会・事業計画作成・信用保証による融資の実行等の支援だけでなく、創業後のフォローアップまで一貫した支援を実施している。
また、女性起業家交流会や、小中学校における出前授業、高校生・大学生向けの創業を意識したキャリア教育活動など創業に関する幅広い支援を各種機関と連携して実施し、地域における事業と雇用の創出に貢献している。

 

 ○全国イノベーション推進機関ネットワーク堀場雅夫賞
 田中 仁氏(田中仁財団代表理事、(株)ジンズ代表取締役社長)
大手眼鏡チェーン(株)ジンズの創業者である田中氏は、出身地の群馬県前橋市の活性化に向けて私財を投じて財団を設立し、群馬の地から次世代を担う起業家を発掘して事業の革新を後押しする「群馬イノベーションアワード」を毎年開催するとともに、起業の進め方や経営について学ぶ「群馬イノベーションスクール」を開校した。
また、前橋市にまちづくりの指針となるビジョンの策定を提案して、市との協働で前橋ビジョン「めぶく。」を策定。そのビジョンに基づき前橋市ゆかりの企業が毎年純利益の1%(最低100万円)を拠出し、まちづくりに取り組む団体「太陽の会」も立ち上げ、これらの活動により地域活性化の礎を築いている。


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