2020年11月25日 若者の6割が「読書好き」 意外に低い電子書籍使用率(日本財団調査)

17歳から19歳で「読書好き」は約6割。日本財団が11月9日までの読書週間を機に日本財団が行った調査で、こうした若者の実態が明らかとなった。新しい知識を獲得できることや、没頭できることが本を読む主な動機。また、電子書籍の浸透度は意外に低く、7割を占める紙媒体の割合に対して、電子書籍のみを使用している若者は1割にも満たなかった。

調査によると、読書について「好き」と答えたのは過半数の59.7%で、「嫌い」は12.18%と少数派。「どちらでもない」は27.5%。普段本を読んでいる冊数が多い層ほど、読書好きの傾向を示しており、読書量が月に1、2冊の層は75.0%、3冊以上の層は94.7%が「読書が好き」と回答。また、普段新聞を読んでいる層は、読書が「好き」と67.3%が答え、文章を書くことが好きな層も、読書好きの割合が79.9%と多い。

読書が好きな理由を聞いたところ、「今まで自分が持っていなかった新しい知識を手に入れられる」「自分にはなかった考え方や自分が知らなかったことに出会える」など、新しい知識や考え方を学べるという意見が聞かれた。

また、「没頭できて楽しい」「現実では体験できないことを疑似体験できる」など、本に書かれている内容の世界に入り込めて夢中になれる楽しさを理由としてあげる若者も多数みられた。さらに、読解力や語彙力が身につくことや、子供の頃からの習慣を理由とする若者からの声も聞かれた。

一方で、読書が好きでない理由としては、「長い文章を読むのが苦手」「活字が苦手」というものや、「読んでいくにつれて、読み疲れて途中でやめてしまう」「たくさんの文字を読むのが面倒」といった文章を読むこと自体が苦手であることをあげている。読書好きかわからないとの回答者は、読書が嫌いとまではいかないまでも、あまり読書をする時間がないという理由や、本の内容・ジャンルによって好き嫌いがあるとの回答が目立った。

1ヵ月で読む本の冊数としては、1ヵ月で「1、2冊」と答えたのは全体の44.8%で最多となった。「3、4冊」は12.2%、「5、6冊」は3.5%、「7冊以上」は6.8%となった。「全く読まない」は32.7%と、約3割が読書を行っていない。

本を読む理由は、当然ながら「本が好きだから」が70.3%で最も多く、以下、「内容に関心がある」(44.0%)が続く。よく読むジャンルは62.6%が小説と答え、漫画が49.9%、ライトノベルが26.0%となった。

 

紙媒体での読書「実物の満足感」

本を読む媒体としては、「紙」が67.6%、「電子書籍」は5.9%。まだ圧倒的に紙媒体で読書を行っているが、紙と電子の「どちらも活用している」人も26.4%いた。

紙媒体で本を読む理由を聞いたところ、「買った感を得ることができる」「自分の手元に置いておきたい」など、実物としてあることの満足感を得られることをあげた。また、「手に紙として持って読む方が、読んでいる気になる」「ページをめくる感じが好き」など、電子書籍より本を読んでいる実感を得られることを理由にしている。

電子書籍を活用している人は、アプリで手軽に読めることや、外で読みやすいことなど、携帯性や保管場所に困らないといった点で利便性を感じていることも明らかとなった。さらに、両方活用している人は、紙・電子それぞれの良さがあるとの意見を寄せた。また「話が長い漫画はアプリで、1冊で終わる小説などは購入」と、本のジャンルによって使い分けているとの回答も多く挙がった。

 

コロナでも変わらない読書量

調査では、コロナ禍での影響についても聞いた。読書量は、最多は「変わらない」で69.1%となり、「増えた」は24.9%、「減った」は6.0%。


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