2022年4月27日 自身や自国の将来への期待感、日本は最低 日本財団が6ヵ国若者意識調査、経済状況など反映か

わが国の若者は自国や自身の将来に対してネガティブな感情を持っていることが、日本財団が日本・アメリカ・イギリス・中国・韓国・インドの6ヵ国の17歳から19歳のハイティーンを対象に行った意識調査で明らかとなった。中国やインドの若者が国の将来への希望を抱いていることから、各国の経済状況などを反映したものとみられる。わが国は経済が成熟し、大きな成長が見込めないことから、かつてのような「明日は今日よりよくなる」と考えるのは難しいのかもしれない。

 

経済だけでなく、文化への期待感も最下位

自分の国の将来について、わが国は「良くなる」が13.9%と、他の国に差をつけて6ヵ国中最下位となった。また、「悪くなる」が35.1%、「どうなるか分からない」が30.7%で、それぞれ6ヵ国中最も高いスコア。「良くなる」という回答が最も多いのは中国(95.7%)で、次いでインド(83.1%)が多い。

また、調査では10年後の自国の状況がどうなっているかという観点で質問した。「経済」の競争力については、わが国は「強くなる」が10.9%で6ヵ国中最下位。「科学技術」についてもわが国は「強くなる」が45.5%で最下位を記録。「変わらない」は33.6%で最多という結果となった。

「経済」「科学技術」どちらについても中国は「強くなる」の割合が6ヵ国中で最も多く、次いでインドが多い。

「軍事・防衛」の競争力についても、わが国は「強くなる」が15.7%で最下位である一方、「変わらない」が55.6%で最多。「文化・芸能」についても「強くなる」が29.5%で最下位、「変わらない」が46.5%で最も多かった。

「軍事・防衛」「文化・芸能」についても、「強くなる」の割合が6ヵ国中で最も多かったのは中国だった。

 

「日々の生活が不安」6ヵ国中最多

調査では、〝自分自身〟に関する意識も尋ねた。わが国は「自分には人に誇れる個性がある」「自分は他人から必要とされている」「勉強、仕事、趣味など、何か夢中になれることがある」「自分のしていることには、目的や意味がある」「自分の人生には、目標や方向性がある」で6ヵ国中最下位となった。「日々の生活で不安やゆううつを感じる」は65.3%で、6ヵ国中最多ということがわかった。  自国については、わが国は「国際社会でリーダーシップを発揮できる」「優れたリーダーがいる」「自分が目標としたい人物がいる」で6ヵ国中最下位となった。また、日本は「機会があれば留学や他国で就労をしてみたいと思う」で41.7%と、留学や他国での就労意向は最も低いという結果も判明した。

自身の将来や目標に関する質問では、全ての項目で日本は6ヵ国中最下位となった。特に「多少のリスクが伴っても、新しいことに沢山挑戦したい」「多少のリスクが伴っても、高い目標を達成したい」は低く、5割を下回った。

自身と社会の関わりについて、全ての項目で日本は6ヵ国中最下位となった。特に「自分は大人だと思う」「自分の行動で、国や社会を変えられると思う」がそれぞれ3割に満たず、他の国に差をつけて低い。

 

「自分で決断」は最多

家族や他人に干渉されず、自分で決断する度合いに関する調査では、「仲良くする友達の選択」「恋人・パートナーの選択」「結婚相手の選択」「入学する学校の選択」「自動車やバイクの運転免許を取得するかどうか」で、日本は6ヵ国中で最も自分で決断できる度合いが高い。その他の項目もそれぞれ2番目に高かった。

さらに、子育て観は、男性も全体の傾向と大きな違いはなく、わが国は「夫婦に子どもが生まれたら、女性が育児を主に担うことが一般的だ」と「夫婦の両方が働いていることが一般的だ」が最下位。


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