2018年5月18日 職員不足、税収減、介護ニーズ増大… 自治体行政の根本の見直しを 総務省研究会

人口減少、少子高齢化が一段と進む2040年ごろの自治体のあり方を検討している総務省の研究会が、直面する課題や対策の方向性を整理した第1次報告を公表した。

医療・介護の分野をはじめとして期待される役割が大きくなるなか、今よりもさらに少ない職員数で運営せざるを得なくなる恐れがあると指摘。老朽化する公共施設やインフラの更新、社会保障費などで出費が膨らむ一方で税収は先細ると見込み、「自治体行政の根本を見直す必要がある」と踏み込んだ。

そのうえで、個々の市町村がそれぞれフルセットの機能を備える現状を再考すべきと提言。圏域ごと、あるいは圏域を超えて自治体どうしが有機的に連携し、役割分担を進めつつ必要な機能を存続させていく将来像を描いた。「都道府県・市町村の二層制の柔軟化」や「ICTの活用を前提とした自治体行政の展開」も打ち出している。

「このまま放置すれば立ちゆかなくなる。危機を真正面から受け止め立ち向かうしかない」。研究会はそう警鐘を鳴らす。「長期的な戦略を早い段階で定め、住民にとって実感のできる選択肢を示すべき」「住民の福祉のため、自治体行政のあり方も大胆な変革を構想する必要がある」などと強調した。

「東京圏は膨大な医療・介護サービスを提供しなければならなくなる」とも指摘。都や県の区域を超えて自治体が足並みを揃え、広域的な視点を持って体制の整備を考えるべきと主張した。このほか、人口減少が著しい地方では集落機能の維持が難しくなる「低密度化」が生じると説明。「集落移転を含め、住民の生活の質を高める選択肢を提示することが求められている。集落生活圏の将来像の合意形成を図ることが重要」と促している。


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