2016年12月15日 約700ヵ所でハード対策 北海道緊急治水対策プロジェクトを実施

今年8月に北海道に来襲した一連の台風により記録的な大雨となり、十勝川水系など多くの河川で堤防の決壊や溢水などが発生。その結果、家屋や農地の浸水、道路冠水、橋りょう損傷などが発生するとともに、一部の地域では避難の遅れが生じた。これを受け、国土交通省は、大きな被害を受けた北海道内の河川を中心に、関係機関と連携して、「北海道緊急治水対策プロジェクト」を実施する。約700ヵ所についてハード対策を緊急的、集中的に今年度から平成31年度を目途に進めるとともに、住民の避難を促すソフト対策も重点的に行う。

ハード対策については、国が管理する河川やダムと北海道が管理する河川において、堤防や護岸など河川管理施設の被災やダム貯水池に大量の流木が流入した。

このため、原形復旧のための河川災害復旧事業(災害復旧)や再度災害防止のための河川災害緊急事業(災害関連)と河川災害復旧等関連緊急事業(復緊事業)により、国・北海道管理河川合わせて約700ヵ所で緊急的、集中的に堤防整備、河道掘削や流木除去などのハード対策を実施する。

主な河川の対策内容をみると、十勝川水系では、同水系の本川や支川で、災害復旧を行うとともに再度災害防止を図るため、堤防整備や河道掘削等を緊急的、集中的に行う(十勝川(直轄事業:国交省。事業費合計:直轄約163億円)。芽室川(補助事業:北海道。事業費合計:約12億円)。

登呂川水系登呂川では、災害復旧を行うとともに再度災害防止を図るため、堤防整備や河道掘削等を緊急的、集中的に実施する(直轄事業:国交省。事業費合計:直轄約62億円(平成28年度災害対策緊急事業推進費を含む))。

石狩川水系空知川では、災害復旧を行うとともに再度災害防止を図るため、堤防整備や河道掘削等を緊急的、集中的に実施する(直轄事業:国交省。事業費合計:直轄約43億円)。

農業の被害面積は約4万ヘクタール(札幌ドーム約7000個分)で、被害金額は543億円(9月27日北海道発表)である。

農地が浸水することで、農作物が「収穫できない・収穫が遅れる」などの被害が発生し、特にばれいしょやスイートコーン、タマネギなどの野菜類が大きな被害を受けている。

また、浸水したことによる作物や土壌の流出や上流からの土砂の流入が発生している。

このため、日本の「食糧庫」である農地の早期復旧のため、河道掘削工を有効活用できるように関係機関と調整する。

ソフト対策については、各一級河川で設置済みの「減災対策協議会」で、各構成機関が概ね5年間で実施する減災のための取組を「取組方針」として取りまとめる。

また、避難情報の確実な伝達や的確な避難誘導、住民の水防災に対する意識向上のため、タイムラインの作成・改良の加速化、訓練の実施、水位周知河川等への指定、想定最大規模の洪水浸水想定委区域図等の公表推進、洪水情報のプッシュ型配信、住民参加型の共同点検の推進、水防災に関する啓発活動の強化といった取組を重点的に推進する。


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