2022年5月19日 移動の健康度を年齢表示 ロコモチャレ協議会が新手法を開発

ロコモ!チャレンジ推進協議会は、ロコモティブシンドローム普及啓発のため、立つ・歩く・座るといった「移動の健康度」を年齢表示する新手法『ロコモ年齢』を開発した。ロコモティブシンドローム運動器症候群、ロコモ)は、運動器の障害のために移動機能の低下を来たした状態のことを指す。進行すると介護が必要になるリスクが高まるといわれている。

ロコモ!チャレンジ推進協議会は、2010年の設立以来、ロコモ啓発のためにさまざまな施策を講じてきたが、ここ数年ロコモ認知度は日本全体で40%と伸び悩んでおり、特に若手世代での認知度向上が課題となっている。

新手法『ロコモ年齢』は、こうした課題を克服するために、〝誰でもどこでもいつでもロコモかどうかしらべることができる〟手法として開発したもの。(株)博報堂DYホールディングス、(株)博報堂テクノロジーズ、(株)博報堂と協働して開発した。

同会では、2013年に公益社団法人日本整形外科学会が策定したロコモかどうかを判定するテストである「ロコモ度テスト」を使用し、〝日本人の立つ・歩く・座る等の移動能力〟を把握する調査を実施。20歳から89歳の1万444人を対象に行われた同調査結果を用いて、ロコモ度テストの性・年代別基準値を策定した。

新手法『ロコモ年齢』は、この基準値に基づき、対象者自身が保持する移動能力を〝移動の健康度〟として評価し、年齢として表わすもの。

『ロコモ年齢』の開発にあたっては、博報堂DYグループ各社と協働して項目反応理論を用いたロコモ年齢産出ロジックを開発、特許を取得した。

また、広く社会全体でロコモ年齢を活用してもらうため、ロコモ年齢の算出実装基盤には博報堂テクノロジーの業種別SaaSプラットフォーム「クロステックエイチ」を利用。加えて、博報堂による生活者発想をベースとしたユーザー視点を活用したUI/UX設定とした。UI(ユーザーインタフェース)は「ユーザーがPCとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組み」、UX(ユーザーエクスペリエンス)は「サービスなどによって得られるユーザー体験」をそれぞれ意味する。

 

いつでもどこでも簡単に自身の足腰の状態を確認

『ロコモ年齢』判定ツールは、ロコモ!チャレ協議会公式Webサイト「ロコモONLINE」から、スマートフォン端末で利用できる。スマホで『ロコモ年齢』にアクセスし、ユーザー登録を行うと、「ロコモ25」「立ち上がりテスト(選択式)」「2ステップテスト(選択式)」に回答する。回答結果から、ロコモ年齢やロコモ年齢に応じたアドバイスが提供される。現時点ではパソコンブラウザでの利用はできない。個人利用の場合、無償で使用することができる。

ロコモ!チャレ協議会では、これまで同会に寄せられた個人・法人・自治体等からの〝ロコモ度を測りたいがロコモ度テストツールがない〟〝コロナ禍もあり、対面式のイベントではなく、ロコモ啓発できる方法がほしい〟といった意見・期待に応える新手法として開発したと説明。20歳以上の幅広い年齢層が、いつでもどこでも簡単に、自身の足腰の状態を調べ、移動機能の維持・向上に役立てることを目指している。

同協議会では、『ロコモ年齢』を広く社会に拡げるため、啓発・普及に関する協働者を広く募集している。自治体・組織・団体等で『ロコモ年齢』を使用して、ロコモ啓発を行うことを希望する人は同会事務局まで。協働者には、同会事務局からロコモ啓発周知啓発ツール等を提供することとしており、幅広い層からの参加を呼び掛けている。


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