2017年8月10日 特別講座を阪大と東大に開講 NEDOがAI分野の即戦力人材を育成

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、NEDO特別講座の一環として、人工知能(AI)分野の人材不足に対応するため、大阪大学と東京大学を拠点として選定し、即戦力人材の育成講座「AIデータフロンティアコース」を近くスタートさせる。

受講者は最短半年間で、講義を通じてAI知識を体系的に習得するとともに、製造現場や顧客行動など様々なデータを用いた演習を通じて、データの構築方法や解析手法などのAI技術を身につけることができる。

NEDOは、産業界のニーズに応えるため、最先端のAI技術に関して、実践的な力を持った即戦力人材の育成を目指す。

 

第4次産業革命に向けた国際競争が激化

IoTや人工知能(AI)技術の研究開発の進展により、これらの技術を利活用できる産業領域が広がり、「第4次産業革命」に向けた国際競争が激化している。しかし、AI分野の専門人材は国内で大幅に不足し、政府がまとめた「人工知能技術戦略」においては、「トップレベルのAI人材を、産学官の強力な連携のもと、即戦力として育成することが急務」とされている。

そこでNEDOは、NEDO特別講座の一環で、社会人技術者および研究者を主な対象に、AI技術を活用して新たな事業・産業を創出する力を持つ即戦力人材を育成するための教育プログラム「AIデータフロンティアコース」を2017年度から2019年度まで実施する。阪大と東大を拠点に、今年下半期からパイロットプログラムを開講し、2018年度から本開講する予定。

受講者は最短半年間で、講義を通じて、AI知識を体系的に習得するとともに、製造現場や顧客行動など実社会におけるさまざまなデータセット(リアルコモンデータ)を用いた演習を通じて、データの構築方法や解析手法などの実践的なAI技術を身につけることができる。

また、拠点を中心にシンポジウムやワークショップを開催することで、多方面の人材の交流を図るとともに、関連技術を含めたAI分野の新たな技術シーズの発掘や技術の応用・発展に資する取組を行い、技術を担う人材が育つという好循環を事業終了後も継続的に形成することを目指す。

事業では、コンピューターサイエンスの基礎学力テストと補習、AIに関するトップレベル講義、リアルコモンデータを扱う演習、演習修了時の能力評価を通じて、即戦力人材の育成を行う。また、人材育成拠点と受講者の所属企業、大学、関係機関などの人的交流を促進するため、受講者参加型のシンポジウムやワークショップを実施する。

さらに、効果的かつ継続的なAI人材育成を実施するため、教育目的において汎用的に活用できるリアルコモンデータのデータセット作成にも取り組む。

作成するデータのドメインについては、人工知能技術戦略会議が2017年3月に策定した産業化のロードマップが特定する生産性、健康、医療・介護及び空間の移動の重点分野を優先する。また、産業界のニーズを踏まえ最先端のAI知識と活用スキルを持つ人材を短期間で育成するための人材育成カリキュラムの開発も進める。

 

阪大は公募開始、東大は11月

受講者の公募情報は、阪大では7月28日からデータビリティフロンティア機構ホームページに掲載している。募集期間は8月7日から8月21日まで。東大では、11月1日から公募情報を情報理工学系研究科等のホームページに掲載予定。募集期間は11月1日から11月30日までを予定している。


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