2017年10月26日 牛肉の消費動向を調査 平成29年度上半期消費者動向調査

日本公庫農林水産事業は、7月に実施した平成29年度上半期消費者動向調査で牛肉の消費動向を調査した結果を公表した。それによると、牛肉を購入する際のポイントの1つとして、赤身肉と霜降り肉の購入頻度に関して、5年前との比較で聞いたところ、霜降り肉よりも赤身肉を好む傾向となった。また、牛肉購入にあたって何をポイントに置くかに関して、消費者は「価格」を最重視していた。「味」や「鮮度」についても、共に回答割合が5割前後と多かった。さらに、今後の牛肉への支出額が聞かれたが、その結果、和牛肉では「増やしたい」が「減らしたい」を上回ったが、その他の牛肉では「減らしたい」が「増やしたい」を上回った。この結果から、消費者は価格を重視しつつも、よりおいしいもの、より鮮度の高いものを求めていることが分かる。

この調査は、全国の20歳代~70歳代の男女1000人の計2000人を対象としたもの。今年7月に、インターネットによるアンケート調査で行われた。

 

和牛肉を食べる頻度は年に数回

調査では、牛肉を食べる頻度について種類別に聞かれたが、和牛肉では「年に数回」との回答割合が31.1%で最も多かった。次いで「ほとんど食べない」が29.0%で続いている。また、交雑牛肉、国産牛肉、輸入牛肉では「ほとんど食べない」、「月に数回」、「年に数回」、「週に数回」の順で回答割合が多かった。

次に、牛肉を食べる機会を種類別に聞いた結果、外食・自宅を含め「家庭でのお祝い事で食べる」は和牛肉がその他の肉に比べて約20ポイント高くなった。また、外食(接待)でも和牛肉がその他の肉に比べて約10ポイント高い。お祝い事など特別な食事には和牛肉志向が顕著で、普段の食事にはそれ以外の牛肉の志向が高い傾向となった。

牛肉の食べ方については、「ステーキ」、「焼肉」、「すき焼き」、「しゃぶしゃぶ」は和牛肉が最も回答割合が高く、「炒めもの」、「煮物」、「鍋」、「サラダ」ではその他の牛肉が上回る結果となった。

 

 牛肉価格は交雑、国産、輸入牛とも「現在の価格が妥当」5割超

牛肉を購入する際に重視するポイントを種類別に聞いた結果、全ての種類で類似した傾向となり、「価格」が最多で2番目、3番目に「味」または「鮮度」という順となった。また、和牛肉ではその他の牛肉に比べ「ブランド」や「産地」という回答が高くなった。和牛肉の場合はその他の牛肉に比べブランドや産地が考慮されていることがうかがえる。

また、牛肉のイメージを種類別に聞いたところ、和牛肉では「おいしい」との回答割合が85.3%、「軟らかい」が57.6%となり、その他の牛肉に比べ約30ポイント高くなっている。さらに、「価格が高い」も59.0%で他に比べて約40ポイントも高い。輸入牛肉については、「さっぱりしている」が25.1%、「脂っこい」が19.4%となったが、両方ともその他の牛肉よりも高いという結果となった。

次に、牛肉の価格水準について種類別に聞かれたが、その結果、交雑牛肉、国産牛肉、輸入牛肉は「現在の価格が妥当」が5割を超え、「値下げ」は4割前後となった。また、和牛肉については「値下げ」がその他の牛肉より高くなったことから、割高と感じている人がその他の牛肉に比べて多い結果となっている。

 

 5年前と比べ赤身肉購入機会多い

赤身肉と霜降り肉の購入頻度に関して、5年前との比較で聞いたところ、5年前に比べ現在は赤身肉を購入する傾向の回答が多くなった。また、「常に赤身肉を購入する」、「常に霜降り肉を購入する」は現在と5年前を比較しても差は小さかったが、「赤身肉を購入することが多いが霜降り肉を購入することもある」との回答に関しては、現在は44.5%となり、5年前より4.4ポイント高くなっている。

次に、ブランド牛の認知度が聞かれたが、「松阪牛」との回答割合が86.7%で最多となった。次いで「神戸牛」が81.3%、「米沢牛」が74.4%で続いている。食べたことがあるかについては、「松阪牛」が最多で55.5%、次いで「神戸牛」が44.4%、「飛騨牛」が28.7%となった。「知っている」と「食べたことがある」を比べると、「米沢牛」、「但馬牛」、「神戸牛」の順で差が大きく、それぞれ46.7、37.0、36.9ポイントの差となった。

今後の牛肉への支出額を種類別に聞いた結果では、和牛肉では「増やしたい」との回答割合が18.6%となり、7.0%の「減らしたい」を上回った。その一方、その他の牛肉では「増やしたい」が「減らしたい」を下回り、特に輸入牛肉でその差が大きくなっている。


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