2017年8月21日 次世代英会話語学教育へ共同実験 東大・NTTの共同研究とイーオンの知見を融合

東京大学は、NTT(株)、(株)イーオンとともに、英会話教室などを展開するイーオンの協力を得て開発したNTTの日本人英語音声認識技術、東京大とNTTによる新たな音声・言語メディア処理技術の共同研究の成果と、イーオンの有する英語語学教育に関するノウハウ・リソースなどを組み合わせることによる共同実験を行う。東大、NTT、イーオンの三者は、この共同実験の取り組みを通して、英語語学教育での高度なICT技術と教育理論を組み合わせた学習効果の高い学習方法の開発・検証を進めることで、社会のグローバル化に対応する次世代の英語語学教育へ貢献する方針だ。

 

臨場感の高い実体験コンテンツを用意

共同実験期間は今月から来年3月までで、NTTとイーオンによる日本人英語音声認識技術を用いた新たな学習方法の実験的サービス提供を通して、日本人英語音声認識技術のさらなる精度向上を目指す。

また、日本人英語認識技術を用いた新たな英語語学学習方法として、①スピーキングトレーニングと②インタラクティブ英会話―の二つの実験的なサービスを用意している。

スピーキングトレーニングは、語学試験等を対面で行われる問いに対して自由文で回答する形式の設問を想定し、話した回答内容を文字にして評価するeラーニングコンテンツ。

インタラクティブ英会話は、海外でのレストランなど、英語を使う必要のあるシチュエーションを高臨場感(バーチャルリアリティ、VR)環境で再現し、話した回答の内容によってシナリオが変わる、より臨場感の高い実体験コンテンツとなっている。

また、昨年5月から東大とNTTが共同研究している学習者支援フィードバック技術に関しても、語学教育の観点から検証されている。来年3月まで実施予定で、NTTの保有するメディア処理技術と、東大の長年にわたる語学学習支援に関する研究から得られた知見を組み合わせることで、学習者支援フィードバック技術を確立する。

 

ICTで「話す」学習効果を向上

社会の急速なグローバル化の進展により、外国語、特に国際共通語である英語の学習の重要性は一層増している。こうした状況を受けて、英語の「聞く(リスニング)」「読む(リーディング)」「書く(ライティング)」「話す(スピーキング)」の4技能を習得する必要性が高まっている。

四つの技能のうち、スピーキング学習は、現状の英語学習で最も必要でありながら学習量が不足しており、ICTでの高度化による学習効果の向上が望まれている分野。話した英語を文字にする音声認識技術をはじめとした音声・言語メディア技術による試みが多く実施されているが、〝日本人英語〟とも称される日本人の話す英語は、ネイティブスピーカーとは異なる特有の発音が多いこともあり、大いに高度な技術が求められている。

NTTでは、同社のAI技術を用いて世界最高精度を達成した音声認識エンジンをベースに、イーオンの協力によって日本人英語に特化した音声認識技術を開発。この技術では、日本人話者が発する英語に対する認識率の大幅な向上可能性を確認された。

 

新たな学習方法をイーオンで体験

今後は、イーオンの協力により日本人英語に特化した音声認識エンジンのさらなる精度向上を進め、実験サービスを実現可能な認識精度にまで向上させる。各国の母語の特徴がある英語が国際舞台で話される時代で日本人が国際舞台で活躍するために、母語の影響があっても英語でのコミュニケーションに支障のないレベルに引き上げた上でさらなる向上を目指す。

特に、スピーキング学習に対して同エンジンを適用し、イーオンの保有する英語語学教育に関するカリキュラム・メソッド・教材などを組み合わせた新たな学習方法を、実際にイーオンに通学している受講者に今年秋頃から体験してもらう。

さらに、NTT、イーオン、東大の三者は、東京大とNTTが共同研究を進めている新たな音声・言語メディア処理技術に関する次世代の英語語学教育での活用方法について、共同で検討する。


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