2019年5月17日 東芝、医療事業への本格参入を発表 グループ従業員のゲノムデータ収集を開始

東芝は10日、医療事業へ本格参入することを発表した。国内のグループ従業員から希望者を募り、遺伝子情報などの収集に乗り出す。将来的にはデータベースを構築し、予防医療の実現に役立てたい考えだ。同日には、医療分野のスタートアップ投資に実績のあるBeyond Next Ventures株式会社と業務提携契約を締結。新規事業を創出する新たな仕組みとして100億円規模のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)機能を導入していくことを表明している。

東芝は、疾病に至る過程に着目。疾病は、個人の生活パターンや遺伝的要因(体質)によって異なるため、より多くの人のデータを分析し、特徴別に複数のパターンに分けることで、最適な予防法・治療法の開発につなげることが可能になると説明している。情報収集事業では、ゲノムデータだけでなく健康診断の結果なども複数年単位で集める見通し。そのうえで、疾病リスク予測、生活習慣病の予防、重症化予防などを、医療研究者をはじめとする医療・ライフサイエンスに携わる機関や企業と共同で推進していく方針だ。

さらに、男性の4人に1人、女性の6人に1人ががんで亡くなるとされ、がんの予防率・治癒率向上に大きな期待が集まっていることや、世界的な高度医療技術の発展により、再生・細胞医療市場の急速な拡大が見込まれていると指摘。予防医療に加え、同社が持つ最先端の精密医療に関連する製品・技術・顧客ネットワークを活用することで、極めて早い段階でがんを発見する「超早期発見」、症状に応じて最適かつ効果的な治療を施す「個別化治療」にも積極的に取り組んでいくと述べた。

今後に向けては、精密医療事業を本格的に推進するため、「一人ひとりのクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上を応援します」「積み重ねた技術力と、新たなパートナーシップでこれからの先進医療・ライフサイエンスを支えます」「次の世代も見据えた予防医療にデジタルの力を活かします」の3つを目標とする「精密医療ビジョン」を新たに作成。新しいビジョンのもと、研究から実用化に向けた様々なパートナーシップを組みながら事業の成長を目指していくとしている。


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