2016年10月31日 木質バイオマスエネルギー地域実践家育成研修会を開催 岩手、長野、徳島、熊本の4県で

(一社)日本木質バイオマスエネルギー協会は、地域で熱利用を検討している者を対象に「木質バイオマスエネルギー実践家育成研修会」を岩手、長野、徳島、熊本の4県で開催する。

木質バイオマスのエネルギー利用は、熱利用を中心に世界的に発達している。しかし、日本では、2012年7月からFIT制度(固定価格買取制度)が始まり、多くの発電事業が計画され、稼働を開始する発電所も増えているが、その多くは熱利用を伴わない事業となっている。一方、発電を伴わない木質バイオマスの熱利用は、FIT制度以前から国内では増えつつあった。しかし、木質バイオマスのポテンシャルに対して、必ずしも十分に拡大しているとはいえない状況にある。その要因としては、熱利用の適切なプランニングを行うことのできる地域の人材が不足していることがあげられている。

このため、日本木質バイオマスエネルギー協会は、熱利用を中心とした、地域で木質バイオマス事業を進める人材を育成するため、木質バイオマスに関する専門的な知識を座学やフィールドワークなどによって研修する「木質バイオマスエネルギー地域実践家育成研修会」を実施することとした。これにより、地域における木質バイオマスエネルギー利用推進をサポートすることが狙いだ。

研修会は、各地域の状況に応じて、関係者とネットワークを構築しながら、「小規模な熱利用」の事業を適切にプランニングできるよう、木質バイオマスエネルギー利用の全体像から、ボイラーの選定方法、簡単な収支シミュレーション手法までを学習する内容となっている。さらに、一方的な講義だけでなく、地域ですでに取り組みを実践している現地の視察や参加者同士との意見交換が行われる予定。より実用的な知識を得て実践活動に活かせるものとなっている。

 

具体的なプログラム

研修会のプログラムは、2つの講義と現地視察、ワークショップで構成。

一つ目の講義「木質バイオマスエネルギー利用とは」では、バイオマスの重要性、現在の利用状況(発電・熱利用)、課題と今後の方向性等、木質バイオマスエネルギーを利用する上で必要となる基本的な事項について解説される。

二つ目の講義「木質バイオマスエネルギーの熱利用」では、特に小規模での利用について ▽木質バイオマス燃料の特徴と品質、単位の整理 ▽木質バイオマスによる熱利用システム ▽バイオマスボイラーの構造 ▽化石燃料ボイラーとの違い ▽木質バイオマスボイラーの導入手順 ▽熱需要分析とボイラー規模の決定 ▽経済性の検討 ▽熱回路、配管、建屋の設計 ▽木質バイオマス設備の設置・設定 ― などが解説される。

現地視察では、実際に導入されている木質バイオマスボイラーの現地見学が行われるほか、バイオマスシステムを現場で学ぶことができる。

ワークショップでは、講義全体を振り返っての質問や、実際に導入する際の疑問点、課題など導入に向けた具体的な内容について話し合いが行われる。


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