2016年6月27日 有給休暇、医師の4割が取れておらず 「強制的に取得させる制度必要」「医療過疎地は無理」

有給休暇の消化について、医師の約4割が「ほとんど取れていない」と回答したことが21日、医師専用のコミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」の調査でわかった。

同サイトは、5月25日から31日にかけてインターネットを通じて「有給休暇をどのくらい取得できているか?」を質問し、会員の勤務医3370人から回答を得た。

調査結果では、「ほとんど取れていない」と答えた勤務医が、1334人と全体の39.6%を占めて最も多かった。次いで多かったのは「2~3割程度は取れている」と答えた556人(16.5%)。さらに、「1割程度は取れている」が484人(14.4%)、「5割程度は取れている」が321人(9.5%)、「有給はない」が320人(9.5%)、「ほとんど消化している」が228人(6.8%)、「7割程度は取れている」が127人(3.8%)‐と続いている。

 

■ 人手不足が取得を阻害

「ほとんど取れていない」と答えた勤務医は、「上司や周りの医師が有休を取らないため、取れない。強制的に取得させる制度が必要」(30代、消化器外科、男性)や「最初からあきらめている。医療過疎地域では無理」(30代、循環器内科、男性)、「仕事が忙しいため有休は取れない。同僚ともども過労死しないか心配」(40代、小児科、女性)などとコメント。

「2~3割程度は取れている」と答えた勤務医からは、「学会参加時と夏休みぐらい」(50代、整形外科・スポーツ医学、男性)や「子ども関連のイベントや家族の都合でも、規定内であればすべて認めてもらっている。職場の理解もあり、非常に働きやすい」(40代、老年内科、男性)といった声が聞こえている。

そのほか、「1割程度取れている」医師からは、「夏休みは取れているが、休み中で県外に居ても24時間オンコール。県外では電話対応のみだが、休みと言えるのだろうか?」(40代、一般内科、男性)、「5割程度取れている」医師からは「今年から医師数が増えたので有休が自由に取れるようになった」といった意見が寄せられた。

 

■ 2020年には取得率70%に

厚生労働省の「2015年就労条件総合調査」によれば、前年の民間企業の有休取得率は47.6%だった。政府は、これを2020年までに70%へ引き上げることを目標に据えている。

wadai20160627

「有給休暇はどのくらい取得できているか?」(MedPeerより引用)


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.