2019年12月3日 有機食品等の消費状況に関する意向調査 摂取のきっかけは「病気にならないため」

農林水産省は、令和元年度食料・農林水産業・農山漁村に関する意向調査の一環で行った「有機食品等の消費状況に関する意向調査」の結果をとりまとめて公表した。この調査では、過去1年間に有機食品(オーガニック食品)を飲食した全国の20歳以上の者1099人の回答がとりまとめられている。調査結果によると、日頃、オーガニック食品を飲食している頻度については、「月に1回未満」と回答した割合が34.0%と最も高く、「月に2~3回程度」が18.4%、「週に1回程度」が16.7%で続いている。また、オーガニック食品を初めて飲食したきっかけについては、「自分や家族が病気にならないため」と回答した割合が22.6%と最も高く、「広告やメニュー等を見て興味を持ったため」が20.3%、「家族が購入したため」が15.7%で続いている。

 

マーケットインの考え方の下での有機農業の推進のために調査を実施

この調査は、有機農業をマーケットインの考え方で推進するため、有機食品等について商品形態や消費形態、消費場所別のニーズや国産志向の消費意向等を把握するもので、今後の有機農業の推進策等の検討に資するための基礎資料とすることを目的に実施された。

農林水産省が契約した民間の事業者が保有するモニター(民間事業者が提携する他の事業者が保有するモニターも含む)のうち、過去1年間に有機食品を飲食した全国の20歳以上の者を対象に、8月下旬から9月上旬までの期間で、オーガニック食品の購入経験と今後の意向、オーガニック食品の志向、環境に配慮した取組への意識等が調べられたが、有効回答数は1099人だった。

 

オーガニック食品の飲食頻度 初めて飲食したきっかけ

調査結果によると、日頃、オーガニック食品を飲食している頻度については、「月に1回未満」と回答した割合が34.0%で最も高かった。次いで「月に2~3回程度」が18.4%、「週に1回程度」が16.7%で続いている。

これを年齢階層別にみると、すべての年齢階層で「月に1回未満」と回答した割合が最も高くなっている。

オーガニック食品を初めて飲食したきっかけについては、「自分や家族が病気にならないため」と回答した割合が22.6%で最も高かった。「広告やメニュー等を見て興味を持ったため」が20.3%、「家族が購入したため」が15.7%で続いている。

これをオーガニック食品の飲食頻度別にみると、月に2~3回程度以上の頻度で飲食している階層では「自分や家族が病気にならないため」と回答した割合が最も高くなっている。

 

今後の意向、家庭での購入では野菜 外食ではスープやポトフなどが人気

今後、家の中で飲食するために購入したい、または購入を増やしたいオーガニック食品については、「生鮮野菜」との回答割合が59.5%と最も高く、次いで「生鮮果実」が25.8%、「パン」が25.3%で続いている。

また、家の外で飲食する際、今後、どのような状況で飲食したい、または飲食する機会を増やしたいかについては、「祝休日にレストランやカフェ等で飲食」との回答割合が45.3%と最も高かった。次いで「平日にレストランやカフェ等で飲食」が40.5%、「祝休日にコンビニやイベント会場等で購入して飲食(食べ歩き、イートインなど)」が20.6%で続いている。「飲食したい又は飲食する機会を増やしたいとは思わない」との回答の割合は21.3%だった。

家の外で食べる際、レストランやカフェ等で飲食する場合に、飲食したい、または飲食する機会を増やしたいオーガニック食品については、「オーガニック食材を使った食事メニュー(有機野菜を使ったスープやポトフ等)」との回答割合が68.2%と最も高かった。次いで「サラダ」が60.1%、「米、パン、麺類」が59.2%で続いている。

 

生産国に対する考え

オーガニック食品・飲料を購入する際の生産国に対する考えを品目別にみると、「国産のものしか購入しない」もしくは「割高でもできるだけ国産のものを購入する」と回答した割合は、「米」が86.2%と最も高く、「豆腐、納豆」、「麺類(そば)」、「生鮮野菜」で6割を超えている。「欲しい商品があれば、国産・外国産へのこだわりはない」と回答した割合では、「飲料(ワイン・ビールなど)」が71.5%と最も高く、「麺類(パスタ)」で6割を超えている。

また、生鮮野菜を購入する際の生産国への考えを年齢階層別にみると、「国産のものしか購入しない」と答えた割合は、60歳以上が44.9%と最も高く、「欲しい商品があれば、国産・外国産へのこだわりはない」と回答した割合は「20~29歳」が42.7%と最も高かった。

 

環境問題・農業への関心

次に、環境問題への関心について尋ねたところ、「ある程度関心がある」と回答した割合が59.1%で最も高かった。「非常に関心がある」の13.6%と合わせて、関心があると回答した割合が7割を超えている。

これをオーガニック食品の飲食頻度別に「非常に関心がある」と回答した割合をみると、「ほとんど毎日」が38.5%と最も高かった。次いで「週に2~3回程度」が21.1%、「週に1回程度」が15.3%で続いている。

農業への関心を尋ねる質問では、「ある程度関心がある」と回答した割合が43.3%で最も高かった。「非常に関心がある」の10.7%と合わせ、関心があると回答した割合が5割を超えている。

これをオーガニック食品の飲食頻度別に「非常に関心がある」と回答した割合をみると、「ほとんど毎日」が30.8%で最も高くなっている。次いで「週に2~3回程度」が12.8%、「月に2~3回程度」が11.9%で続いている。

 

食品を購入する時に留意する表示 何でオーガニック食品を認識するか

食品(オーガニックに限らない)を購入する時によく確認する表示内容についての質問では、「原産国」と回答した割合が72.5%と最も高かった。次いで「賞味期限、消費期限」が66.2%、「原材料」が62.8%で続いている。

オーガニック食品を購入する時に、何を見てオーガニックであることを認識するかを尋ねる質問では、スーパーマーケットの店頭、直売所、ネット販売とも「商品パッケージの説明文」と回答した割合が最も高く、それぞれ39.6%、39.0%、50.5%だった。


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