2022年5月31日 景気に持ち直しの動き 基調判断は据え置き 5月の月例経済報告

内閣府がまとめた5月の月例経済報告によると、個人消費でこのところ持ち直しの動きがみられ、住宅投資はおおむね横ばいとなっていることなどから、「景気は、持ち直しの動きがみられる」と、基調判断を据え置いた。また、先行きについては、「感染対策に万全を期し、経済社会活動の正常化が進む中で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、中国における感染再拡大の影響やウクライナ情勢の長期化などが懸念される中で、供給面での制約や原材料価格の上昇、金融資本市場の変動等による下振れリスクに十分注意する必要がある。また、感染症による影響を注視する必要がある。」としている。

日本経済の動向をみると、個人消費では、需要側の統計をみると、「家計調査」(2月)では、実質消費支出は前月より4.1%増となった。販売側の統計をみると、「商業動態統計」(3月)では、小売業販売額は同1.7%増となっている。

設備投資は、持ち直しの動きがみられ、需要側統計である「法人企業統計季報」(10~12月期調査、含むソフトウェア)でみると、2021年10~12月期は前期比3.4%増となった。業種別では、製造業は同3.4%増、非製造業は同3.3%増となっている。

機械設備投資の供給側統計である資本財総供給(国内向け出荷及び輸入)は、持ち直しの動きがみられる。ソフトウェア投資は、緩やかに増加している。

住宅投資は、おおむね横ばいとなっている。持ち家の着工は、弱い動きとなっている。貸家及び分譲住宅の着工は、おおむね横ばいとなっている。総戸数は、3月は前月比6.3%増の年率92.7万戸となった。

公共投資は、このところ底堅い動きとなっており、3月の公共工事出来高は前月と比べて1.1%増、4月の公共工事請負金額は同3.4%減、3月の公共工事受注額は同27.9%増となっている。

鉱工業生産は、持ち直しの動きがみられ、鉱工業生産指数は、3月は前月比0.3%増となった。鉱工業在庫指数は、3月は同0.4%減となっている。また、製造工業生産予測調査によると4月は同5.8%増、5月は同0.8%減となることが見込まれている。

企業収益は、感染症の影響が残る中で、非製造業の一部に弱さがみられるものの、総じてみれば改善している。上場企業の2022年1~3月期の決算をみると、毛状利益は、製造業、非製造業ともに前年比で増益となった。「日銀短観」(3月調査)によると、2022年度の売上高は、上期は前年比2.7%増、下期は同1.5%増が見込まれている。経常利益は、上期は同2.5%増、下期は同0.9%増が見込まれている。

企業の業況判断は、持ち直しの動きに足踏みがみられる。「日銀短観」(3月調査)によると、「最近」の業況は、「全規模全産業」で低下した。6月時点の業況を示す「先行き」は、「最近」に比べやや慎重な見方となっている。

雇用情勢について、完全失業率は、3月は前月比0.1%ポイント低下し、2.6%となった。労働力人口と就業者数は増加し、完全失業者数は減少した。


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