2017年8月3日 排泄予知の「DFree」、介護施設へ導入 伊藤忠テクノソリューションズ「ニーズがあれば他にも」

伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が、排泄のタイミングを予知できるウェアラブルデバイス「DFree(ディーフリー)」を、SOMPOケアネクストが運営する有料老人ホームなどへ提供していくと正式に発表した。すでに昨年6月から実証実験を重ねてきており、今年4月から一部で本格的な運用に乗り出していた。10月までに全国116ヵ所へ拡大していく計画だ。

国内では少子高齢化が進み、高齢者向け介護施設への入居希望者が増える一方、介護職員の慢性的な人材不足が続いている。SOMPOケアネクストでは、現場の負担を軽減しつつ、入居者への安心・安全な介護サービスの提供を目指して、ITを活用しリスク管理を徹底したサービスの研究・開発に取り組んできた。

「DFree」

「DFree」は利用者の下腹部に医療用テープなどで貼り付けて使う。超音波のセンサーが膀胱の動きを検知し、人工知能(AI)を使って排泄の時間を予測。介護職員が持つタブレット端末やスマートフォンへ通知する仕組みだ。

おむつの使用を回避できるほか、本当は必要ないのにトイレへ連れていったりする無駄を省けるため、利用者と介護職員の負担を大幅に軽減できるのではないか ― 。そんな期待が寄せられている。CTCは昨年2月、開発元のトリプル・ダブリュー・ジャパンとともに市場投入を目指す方針を表明。これまでの実証では、職員がトイレへ誘導する頻度を下げる効果が確認できたという。AIの活用に向けた厚生労働省の有識者会議でも取り上げられるなど、業界での注目度は日増しに高まっている。

CTCの担当者は今後について、「ニーズがあればSOMPOケアネクスト以外の施設にも展開していきたい」と説明。「利用者の安心・安全につながるサービスの提供、働きやすい職場環境の整備に貢献していきたい」としている。


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