2016年4月28日 慶応大とサイバーダインが共同開発 脊髄損傷の治療に「HAL」とiPS細胞を活用

慶応大学サイバーダインは18日、脊髄損傷の新たな治療法を共同で開発していくと発表した。慶応大学が研究を進めているiPS細胞を使った手法と、サイバーダインのロボットスーツ「HAL」を組み合わせて画期的な成果を狙う。神奈川県が整備した川崎市の「ライフイノベーションセンター」が拠点となる。

 

神奈川県の担当者によると、今年度から2段階で研究が展開されていく。脊髄損傷の患者20人から30人を対象に、まずは「HAL」を装着したうえで歩行などの訓練を始める。その後、iPS細胞からつくった神経幹細胞を患部に移植する慶応大学の技術も用い、両者のシナジーで機能の回復を目指す。iPS細胞を活用した治療は、十分な臨床試験など必要なプロセスを終えた後となるため、開始まで数年はかかるという。

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「HAL」は、装着した人の動作をアシストする最先端のロボットだ。皮膚に張り付けるセンサーが、脳から筋肉に送られる信号を素早く正確に読み取ることで、その人がしたい動きを把握。パワーユニットが連動してそれを的確に後押しする。ひとりでうまく歩けない人が使うと、正しい感覚が徐々に身に付いていき能力の再獲得につなげられるという。医療機器としての性能はすでに認められており、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーといった神経・筋疾患などの治療では、今月から健康保険が使えるようになっている。

 


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