2021年5月12日 慶応大がDX簡易組織診断 経団連や産総研の協力でWEBサイトを公開

(株)アイデミーと慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)は、組織のDX推進レベルを簡易的に診断することができるウェブアプリケーション「DX簡易組織診断」をリリースした。

日本経済団体連合会や産業技術総合研究所の協力を得て、緊密な連携により、企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上で参考となる「組織のDX推進レベル」を他社と相対比較した結果で知ることができるというもの。

昨今、多くの企業でDX推進の取り組みが行われ、自らどのようにSociety5.0の時代を切り拓いていくか、未知への挑戦が求められている。そして、コロナ禍での環境変化が日本企業のDXを後押ししている状況が伺える。

しかし、デジタルによる変革については、誰もが産業構造や各組織の変革の必要性を唱えるものの、総論賛成・各論反対の状況も垣間見える。その結果、具体的な取り組みとしては遅々として進まないのが実情だという。

Society5.0の達成に取り組む東大発のスタートアップベンチャー企業のアイデミーは、人材育成や組織変革を中心とする「企業のAI内製化支援・DX支援」に取り組んでいる。一方、慶應SDMは、ものごとを俯瞰的かつ体系的に捉えるシステム思考と、ものごとを人間中心で考えて多様性を活かして新価値を創造するデザイン思考を融合したシステム×デザイン思考の研究・教育を実施するとともに、実社会への実装を行っている。

経団連は、昨年5月19日に公表した提言「DX~価値の協創で未来をひらく」の中で、創造的な新たな社会Society5.0の実現に向けて、DXを通じた産業全体や企業の構造変革の必要性を訴えている。

産総研は、人工知能技術コンソーシアムを通してデータ活用の手法・技術の勉強会を実施し、産総研技術の最新動向を共有するなど、データ活用の知識やノウハウ、最新情報の獲得を促進させ、データ活用力を強化しDXの推進を目指している。

 

A~Fの6段階で診断 他社と相対比較で確認

これら4者がそれぞれの強みを最大限に活かし、DXに取り組む企業の組織変革の具体的な取り組みへのきっかけを、DX簡易組織診断のウェブアプリケーションを通じて支援する。これにより、自社のDX推進の状況が他社と比較してどの位置にあるか、相対比較したA~Fの6段階のレベルで診断結果が表示されることで、今後の取り組みのヒントとなる。

DX簡易組織診断は、経団連が発表した「協創DX指標」の人材と組織の領域をもとに、経団連会員に対して行ったアンケート結果から構築した。診断結果は、DX推進レベルの確認を目的としたもの。

今回は人工知能技術の一つである「ベイジアンネットワーク」によりモデルを構築している。ベイジアンネットワークは、データによく適合する確率分布を推定する技術。推定した確率分布を用いて、背景に隠れた関係があるデータ同士をつなぎ、ある事柄を予測することなどができる。人工知能技術コンソーシアムを通して産総研が開発した人工知能技術PLASMA及びPOSEIDONを活用している。

質問は全部で28問あり、経団連の協創DX指標の人材・組織領域の内容をもとに構成されている。構築したベイジアンネットワークのモデルをもとにアンケートの回答結果から他企業と比較したDX推進度合いの推測結果が表示される仕組み。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.