2016年10月26日 微生物を科学しブランディング実現 東工大とぐるなびが「食の価値創成共同研究講座」

大隅良明栄誉教授のノーベル生理学・医学賞受賞で喜びにわく東京工業大学だが、東工大では(株)ぐるなびとの共同研究で、日本の食文化を支える微生物を科学し、食のブランディングを実現することをテーマとした「ぐるなび食の価値創成 共同研究講座」を開設し、10月から本格始動させた。

共同研究では、日本食の中でも健康によいとされる「発酵食品」、中でも味噌・漬物・日本酒など多くの発酵食品に影響を与える「乳酸菌」と「麹菌」に着目し調査を実施する。

また、調査した発酵食品に関する微生物ゲノム情報、食品機能性、栄養性、文化的背景などの多次元情報を蓄積し発酵食品のデータベース化を目指す。

日本の各地域には気候・地質・歴史に裏付けられた食文化が根付き、地域の伝統食品や伝統料理は各地の風土を色濃く反映している。ぐるなびがこれまでに構築してきた地方自治体や飲食店・生産者などのネットワークを活用して各地方での調査研究を進め、現地の食に新たな価値を発見することで伝統食や地域をブランドアップすることを目指す。現在、研究モデル地域を検討中。

このデータベース化が実現することで、食材・食品を機能的価値や健康への効果など科学的根拠で評価し、ブランディングすることが可能になる。また、ゲノム解析情報を活用した食品の開発や、その土地に行かなければ食べることができない地域固有の菌(微生物)で作られた食材・食品をめぐる観光ツアーの実施など、地域活性化や2020年に向け日本の優れた食文化を世界に発信することが可能になると予測している。

初年度は、地域の風土や伝統に根ざした発酵食品から健康効果や消費者需要を勘案した分析対象の選定を行い、その後2019年までに、選定した食品の発酵に関わる微生物のゲノム解析、それによる食品のキャラクタライズや食文化の調査、データ化、キャラクタライズされた食材・食品の機能的価値や健康効果の評価を実施する予定。

さらに、研究の第2段階として、データベース化した食品由来の微生物が人の常在菌にどのように影響を与えるかも含めて評価していく方針。

wadai20161025


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