2016年7月5日 復旧・復興に向け参考技術情報を公表 熊本地震で被災した農業現場の課題解決に期待

農林水産省は、(国研)農研機構と協力し、平成28年の熊本地震で被災した農業現場が直面する作付計画の変更等の問題解決に活用できる技術情報を「平成28年の熊本地震農業被害からの復旧・復興のための参考技術情報」としてとりまとめ、農研機構のホームページで公開している。

平成28年熊本地震の農業関係被害については、農地における地割れの発生や農地法面の崩壊、水路の破壊、農業施設や畜舎の損壊などがおき、農作物等の損傷や家畜の斃死など多大な被害が発生した。

こうした状況の中、被災地域では、作目の変更や農作業の遅れに対する早急な対応策が求められている。また、農業施設、農地の復旧については、一定の時間を要するため、長期的な取り組みも必要となることが想定されている。

このため、今回、農林水産省と農研機構により、地震による農業被害からの復旧にあたって参考となる技術面の情報がとりまとめられ、公表された。この参考技術情報にはこれまでの研究成果が反映されており、熊本地震における農業被害からの復旧・復興への貢献が大きく期待されている。

3部構成、取り上げられた12の技術

この参考技術情報は、農林水産省が収集した被災地からのニーズと農研機構が過去の震災対応等で蓄積してきた技術シーズをマッチングさせて作成されている。▽農地・施設の復旧・整備技術情報 ▽作物(水稲、麦類、大豆、果樹等)技術情報 ▽畜産・飼料作関係の技術情報 ― の3つで構成されており、12の技術が取り上げられている。

 

今回取り上げられた12の技術

1.農地・施設の復旧・整備技術情報

○省力施工が可能な基礎杭を利用した園芸用ハウス補強技術

2.作物技術情報

○水稲の晩植栽培
○排水不良ほ場での大豆の出芽不良を低減する技術
○麦・大豆栽培等における高速で省力的な播種技術
○「みはや」の早期成園化と高品質果実安定生産技術

3.畜産・飼料作関係の技術情報

○太陽光発電を活用した家畜飲水の自動供給システム
○夏季に栽培できる飼料作物の播種晩限
○飼料用トウモロコシの播種遅れに関する留意点
○晩播・夏播きにも適する飼料用トウモロコシ「スノーデントおとは」
○雑草に強く管理が容易で作付けしやすいスーダングラスの栽培技術
○乾燥調製が不要な籾米サイレージ調製技術
○堆肥舎が使用できない場合の堆肥の一時保管方法


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