2022年1月12日 大都市圏のバイト時給、過去最高の更新続く 淑徳大・結城教授「介護業界の厳しさ増す」

企業がアルバイトやパートを募集する際の時給の平均額が上昇を続けている − 。リクルートの調査研究機関「ジョブズリサーチセンター」がそんなレポートを出した。業種を超えた人材の獲得競争が激化の一途を辿っており、介護業界の経営環境は今後も厳しさを増しそうだ。

ジョブズリサーチセンターが公表した調査結果によると、3大都市圏(首都圏・東海圏・関西圏)のアルバイトなどの平均時給は昨年11月で1108円。前月から5円上がり、2006年1月の調査開始以来の過去最高を更新した。更新はこれで3ヵ月連続だ。

11月のアルバイトなどの時給を業種別にみると、販売・サービス系やフード系、製造・物流・清掃系などで前月から増加。前年同月比では、事務系なども含めた全ての業種でプラスとなっている。

この調査は、リクルートの「タウンワーク」や「フロムエーナビ」などに掲載された求人情報に基づくもの。例えば11月の平均時給は、37万8173件の求人情報を集計して算出されている。

ジョブズリサーチセンターはレポートで、「新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いていることから、フード系を中心に人材需要が増えた。物流でも年末の繁忙期に向けて募集を強化している」などと説明。「人材需要の高まりから時給も上がっている」と分析している。

淑徳大学・総合福祉学部の結城康博教授は、「多くの介護現場が主婦層など時給で働く人に支えられている。他業種の時給が上がればそちらの魅力が強まり、介護業界の厳しさは一段と増す。やがて勝ち目がなくなってしまう」と指摘。「今回の9000円の賃上げも十分とは言えないが、正社員のみならず時給で働く人の確保、離職防止に焦点を当てた措置も欠かせない。国は他業種の賃金動向にもっと敏感になって政策を立案すべきではないか」と話している。

公表データより引用


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