2017年5月1日 喫煙者の白血病リスク、2.2倍に 男性・喫煙指数30以上で、がん研ら発表

国立がん研究センターと愛知がん研究センターはこのたび、喫煙が白血病の発症リスクに関係しているという調査結果を発表した。1日に吸うたばこの本数と喫煙している年数をかけた「喫煙指数」が30以上で影響が確認できたとしている。

調査は1990年、もしくは1993年から2012年にかけて、40歳から60歳の男女約10万人を対象に、平均で18年間にわたって追跡するかたちで実施。年齢や居住地域、性別、職業、肥満指数などが結果に影響しないように喫煙との関連を分析した。国際がん研究機関(IARC)は、喫煙を急性骨髄白血病の確実なリスクだと報告しているが、日本人を対象にした喫煙と白血病罹患リスクとの関係を検証した大規模な研究は、これまでほとんど行われていなかった。

※AML=急性骨髄性白血病
リリースより引用

結果をみると、男性では喫煙指数30以上の「吸っている」グループは、「吸わない」グループよりも急性骨髄性白血病にかかるリスクが2.2倍高かった。ただし、喫煙指数が30未満の「吸っている」グループと「吸わない」グループでは、有意な差はみられなかった。女性は、白血病を発病した人や喫煙者が少なく、はっきりとしたデータが得られなかったとした。

結果を踏まえ研究チームは、「たばこに含まれるベンゼンや放射性物質による発がんを背景に、喫煙が急性骨髄性白血病のリスクを上昇させることが海外の研究で示されていた。今回の研究結果から、これまでの国際的評価は日本人においてもあてはまり、喫煙が急性骨髄性白血病のリスクの上昇にも関連していることが分かった」と結論づけている。そのうえで、喫煙は多くのがんや循環器・呼吸器疾患などのリスクになっていると指摘。健康寿命延伸や急性骨髄性白血病の予防のためにも禁煙が重要だとした。


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