2022年4月8日 商用目的での配慮事項を整理 「カメラ画像利活用ガイドブックver3.0」

経済産業省と総務省は3月30日、商用目的でカメラ画像を利活用するにあたり必要な配慮事項を整理し、配慮事項のポイントを写真やイラストを盛り込んだ具体例を通して解説している「カメラ画像利活用ガイドブックver3.0」を策定した。ガイドブックは、法令遵守を前提としつつ、プライバシー保護の観点から、適法性だけでなく生活者と事業者間での相互理解や信頼関係を構築するために、事業者の自主的な取組を促すための参考とするもの。

ガイドブックでは、令和2年・令和3年改正個人情報保護法への対応として、個人の権利の在り方(保有個人データの開示方法を本人が指示できるようにする、短期保存データを開示・利用停止等の対象とする)、事業者の守るべき責務の在り方(漏えいが発生し、個人の権利利益を害するおそれが大きい場合に本人等への通知を義務化する、違法または不当な行為を助長する等の不適正な方法により個人情報を利用してはならない旨を明確化する)、事業者による自主的な取組を促す仕組みの在り方(法定公表事項として安全管理のために講じた措置を追加する、本人が合理的に予測できる程度に利用目的を特定しなければならない旨を明確化する)等、ガイドブック全体の記載内容を見直している。

また、プライバシーの観点から検討を深め「3.2プライバシー保護について」を追加。「(1)基本的な考え方」として、生活者のプライバシーや肖像権を違法に侵害することを防ぐため、カメラ画像を利用する目的が正統であり、撮影の必要性があること、撮影方法・手段や利用の方法が相当であることについて適切に行う必要があるとした。また、カメラ画像の公表を伴っていなくても、撮影(取得)事態についてプライバシーの侵害が問われる場合もあるとしている。

「(2)具体的に注意すべき点」として、①特定の個人のデータを取得する時間的範囲・空間的範囲が広がる程、特定の個人の行動が詳細に把握可能となるため、プライバシーの観点から注意が必要である。②カメラ画像から、人種、信条、健康、内心など、生活者の最も私的な事項に係る情報を抽出して検知したり、推定を行ったりすることについては、プライバシーへの影響が高いため、慎重な配慮が求められる。③公共空間(道路、公的施設等)、準公共空間(駅、複合施設内通路、道路に面した店舗前の空間等)においては、社会生活上その空間の利用を避けることが困難である場合も想定されるため、カメラ画像の利用目的の正当性、撮影の必要性、撮影方法・手段の相当性などが合理的に説明可能かを慎重に確認する必要がある。をあげた。

プライバシーガバナンスやアジャイルガバナンス等の考え方を踏まえ、「4.配慮事項」の全体構成や「4.1基本原則」を再整理している。

このほか、エッジ側で画像が処理されるケースや、クラウドサービスを利用するケースも増えてきたことから、「4.4設計時の配慮」、「4.8管理時の配慮」等に注意喚起すべき内容を追加。「4.6取得時の配慮」に関して、プライバシー配慮の観点から、撮影の対象となる場所において、最低限生活者へ通知されるべき情報項目を整理している。


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