2019年1月17日 単身高齢者の賃貸入居で新制度 中野区 見守りや死後の原状回復費を補助

中野区は今月から、単身高齢者・障害者の賃貸住宅への入居を支援する新たな制度をスタートさせる。民間の見守りサービスを安価に受けられるよう費用面から支援していく。入居者が亡くなってしまった場合、家財の後片づけや原状回復などにかかる費用を家主に補助する。中野区によると、こうした自治体の取り組みは全国で初めてだという。

中野区に1人で暮らす高齢者の人口は、2015年の時点で2万1915人。推計では2030年までに3万人を超える見通しだ。一方で、家賃の滞納や孤独死などへの懸念から高齢者らが賃貸契約を断られてしまうケースは多い。オーナーの不安を解消し、よりスムーズに入居できる環境の整備が急務だ。

新たな制度では、区が協定を結んだ事業者が安否確認の電話を週2回かけていく。その結果は登録した親族や友人などにも共有されるため、もし異変が起きれば誰かがすぐに察知できる。初回の登録料(1万6200円)は中野区が全額を補助。本人の負担は月額利用料の1944円のみとなる。

入居者が亡くなると、葬儀や後片付け、原状回復などの手配を中野区が実施。これらの経費として最大で100万円を家主に補償する。

制度の対象者は、区内の民間賃貸住宅に単身で住んでいる、あるいはこれから住み始める高齢者など。前年の所得額が256万8000円以下(単身高齢者の公営住宅入居資格と同等)という要件もある。今年3月までにおよそ40件の利用が見込まれている。

中野区の酒井直人区長は、「区民が孤独死しないよう、まずは見守りによって支えていく形で対策に取り組むべきと考えた」と説明。「この制度は入居者、オーナーの両者にとってメリットがある」としている。

 


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