2016年5月2日 利用者目線に立った改善 水害ハザードマップ作成の手引きを改定

平成27年水防法改正により、想定最大規模の降雨・高潮に対応した浸水想定を実施し、これに応じたハザードマップの改定が必要となっている。また、平成27年関東・東北豪雨災害では、多数の住民が取り残され救助されるなど、ハザードマップが避難行動に結びつかない事態が発生した。これを踏まえ、国土交通省は25日、市町村がより避難行動に直結した利用者目線に立った水害ハザードマップを作成するため、「早期の立退き避難が必要な区域」を検討し明記することや、住民等が利用する場面を想定して作成すること等を盛り込んだ「水害ハザードマップ作成の手引き」を改定した。

改定された手引きでは、水害ハザードマップは住民目線で作成されるべきもので、「災害発生前にしっかり勉強する場面」と「災害時に緊急的に確認する場面」のシチュエーションを意識し、住民等に分かりやすく提供できるよう作成することを定めている。

 

作成に当たっての基本事項

手引きではまた、水害ハザードマップ作成に当たって、地域における水害特性・社会特性の分析、想定最大規模の水害に対する避難の検討、早期の立退き避難が必要な区域の検討、市町村開を越えた広域的な避難の検討、複数災害の取扱いに関する検討を求めた。

このうち、地域における水害特性・社会特性の分析では、地域の水害特性や社会特性によって水害リスクは異なることから、これらを事前に十分に把握することが必要とした。また、これら特性を踏まえた避難方法等を検討するとともに、重点的に対策をとる必要があると想定される水害を選定し、反映することとした。

想定最大規模の水害に対する避難の検討においては、安全に2次避難場所へ避難できるよう以降判断基準、2次避難場所等やそこへの移動手段等を検討した上で、計画規模等の水害に対する避難計画を反映することも考えられると指摘している。

 

水害ハザードマップの作成方法

水害ハザードマップの作成方法については、利活用シチュエーションとして、いつ(平時、緊急時)、どこで(自宅、自宅外)、誰が(一般、避難行動要配慮者、外国人)の観点から整理、検討することとしている。

また、市町村界の外側についても地図、浸水情報、雛場所等を表示することや、住民等が亜避難計画等を把握できるよう住宅、避難場所、避難経路等が判別できる縮尺を標準とすることも定めている。

その一方で、作成時の注意事項として、情報を増やしすぎないことや住民等の意見を反映することなどをあげている。

 

公表・活用方法

水害ハザードマップの公表・活用方法については、周知は印刷物の配布だけでなく、インターネットでの公表、内容や見方の説明会の開催等定期的に幅広く行うことが重要との考えを示した。

また、避難の実効性を高めるため、住民自ら記載する欄を設定することや、自治会単位での水害ハザードマップの作成、マイ防災マップ、災害避難カードの作成の取組での活用などを求めた。


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