2018年10月23日 共創コンソーシアム4件を決定 JSTの産学オープンイノベーション連携事業

今年度の新規研究領域・共創コンソーシアムの選定を進めていた国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)は、山形大学の「やわらかものづくり革命共創コンソーシアム」など4件の新規研究領域・共創コンソーシアムを決定した。いずれも大学を中心とするコンソーシアムで、政府が推進する研究成果展開事業として、産学共創プラットフォーム共同推進プログラム(OPERA=オペラ)の連携型オープンイノベーション事業の展開を目指す。

選定された4件のうち、山形大の「やわらかものづくり革命共創コンソーシアム」は、研究領域としてマテリアル×プロセスイノベーションによる革新的ソフト3D界面の創製とやわらかものづくり革命への展開を目指すもの。

古川英光・山形大理工学研究科教授を統括責任者として、愛知ライト、ダイキン工業、セイコーインスツル、信越化学などの企業とともに研究に取り組む。

 

やわらかものづくり革命

ソフト3D界面というのは、樹脂・有機半導体・インクなどのソフト材料同士やソフト材料とセラミック・金属など他の材料が、でこぼこ・球面・曲面などの3次元状界面で接する状態を表す。やわらかさ・柔軟性・変形性を維持し、なおかつ、接着・導電・絶縁・光電変換・ガスバリアなどの機能性を併せ持つ。

相反する機能を高度に融合させたソフト3D界面のマテリアル創製と次世代のプロセス革新を究める学問的挑戦を産学協同のコンソーシアムで行う。これにより個別ニーズに対応した少量多品種のデバイス化や製品化が身近にできる「コンビニエンス・ファクトリー」を構築し、その先のやわらかものづくり革命へ展開させる。

JSTのオペラ(産学共創プラットフォーム)は、民間企業とのマッチングファンドにより、複数企業からなるコンソーシアム型の連携による非競争領域における大型共同研究と博士課程学生らの人材育成、大学の産学連携システム改革を一体的に推進することを目指し、2016年度から開始したプログラム。

企業からの民間資金を活用したマッチングファンド形式の研究開発プログラム。企業は、大学等における基礎研究の企画の段階から参画し、研究費および博士課程学生らの人件費などの拠出を通じた本格的な産学共同研究を推進する。

今回選定した4件の中には、紹介できなかったが、慶應義塾が東大や国際医療センター、理研、コニカミノルタ、富士フイルム、KDDIなどと連携して研究に取り組んだ「PeOPLe(ピープル)共創・活用コンソーシアム」や、京都大が大阪大、奈良先端科学技術大、京都市産業技術研究所、日本電産、日立製作所、住友電気工業らと共同研究した「超スマートエネルギー社会基盤技術共創コンソーシアム」、名古屋大学が信州大、大阪市立大、東京理科大、いすゞ自動車、東レエンジニアリング放電精密加工研究所らと共に研究を進めたものも含まれている。


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