2021年9月17日 全社員にユマニチュード研修を実施 SOMPOケア、介護職以外も「全社一丸で」

SOMPOケアは7日、今年度からグループの全社員を対象としてユマニチュードの研修を行っていく計画を発表した。

認知症の高齢者に対するサービスの質の向上につなげる狙い。「高齢社会を支えるリーディングカンパニーとして専門性の高いケアを追求していく。職員のモチベーションの維持・向上にもつながる」と説明している。

現場を支える介護職にとどまらず、利用者と接する機会の少ない本社勤務の社員なども全て対象とする方針。SOMPOケアの担当者は、「ユマニチュードはあらゆる対人援助の場面で活かせる。全社一丸となって高齢社会を支える一助になることを目指す」と話している。

「そんぽの家 隅田公園」におけるユマニチュード実践の様子(現在は感染予防を徹底して入居者へのケアが行われている)

ユマニチュードは、知覚・感情・言語による包括的なコミュニケーションに基づくフランス発のケア技法。「ケアをする人とは」「人とは何者か」と問う哲学と、それに基づく実践的なテクニックから成り立っている。世界11ヵ国の700施設以上で実践されており、日本では2012年頃から展開されてきた経緯がある。

SOMPOケアはすでに今年5月から研修を開始。今年度は約1200人の受講を見込んでおり、8月現在で約500人が修了しているという。担当者によると、来年度は新卒・キャリア採用あわせて約2000人の受講が計画されている。

研修は、現場さながらの環境で知識や技術が学べる「SOMPOケア ユニバーシティ」で、東京・大阪合わせて年12回実施する。カリキュラムは、1日の中でユマニチュードの哲学・基本知識を理解する内容。具体的には、2名のインストラクターが「1.出会いの準備→2.ケアの準備→3.知覚の連結→4.感情の固定→5.再会の約束」という5つのステップと、「見る」「話す」「触れる」「立つ」という4つの技法について、講義と実技を約6時間行う。

今回の入門オープン研修を受講した社員については今後、「HECT(ヘクト)アプローチ」()といわれる同社オリジナルの認知症ケアの手法を活かし、各事業所でケアの質を高めていくことに取り組んでいくという。

 

※HECTアプローチ

認知症の方が日常生活でうまくできないことで生じる行動面の困りごとや、強い不安など心理的な困りごと(BPSD)などの要因を明確化・特定し、それを解決する方法を見つけ出すSOMPOケア独自の手法のこと


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