2016年4月4日 介護職員、35年には自治体の4割で不足 地方や過疎地だけでなく都市部でも、経産省

経済産業省は24日、今後の需要に見合った介護サービスの提供のあり方に関する報告書をまとめた。自治体レベルでは、約20年後に全体の約4割で職員の確保が難しくなるという見通しを提示。その対策としてロボットやITなどを活用して、業務の効率化を図るべきだとしている。

報告書では、団塊の世代が85歳を超える2035年に介護サービスを必要とする人と労働者に占める介護従事者の割合をもとに、福島県を除く全国1682の市町村で介護職員の充足度合いを推計した。

それによれば、職員が不足すると予想されるのは、過疎化が進む142ヵ所と介護サービスの需要は高いが労働者の供給が限定される地方都市など431ヵ所、平均所得の高さがハードルになる東京23区などの都市部142ヵ所の計715ヵ所だった。

さらに、不足する職員数については、厚生労働省のデータをもとに介護サービスの受給率を計算し、将来の人口推計を掛け合わせることで独自の結果を算出した。

それによると、需給ギャップは2015年で6万人、2025年で31万人に増加。2035年には295万人の介護職員が必要になるものの、現状のままでは227万人しか確保できず68万人が不足するとしている。

そのうえで、こうした事態を打開するためには、見守りセンサーや排泄支援機器、移乗・食事介助ロボットなどを導入すべきだと指摘。そのほか、介護業務に欠かせない記録を、電子デバイスに置き換えることなども有効だと訴えた。

報告書では、こうしたIT技術を活用することによって、労働時間を施設サービスの1事業所で1日当たり80時間、訪問サービスでは13.1時間削減することができると主張。合わせて元気な高齢者を働き手として雇用したり、集住の促進をしたりすることで、職員の不足分を17万人にまで抑えられるとしている。

 

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報告書より引用


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